投資に興味を持ち、資産形成を始めた医師投資家がぶつかる壁——それは「リスクと不確実性」という見えない敵。
特に多忙な診療の合間に、ポートフォリオをチェックするたびに感じるあのヒヤリとした冷や汗…身に覚えはありませんか?
2024年8月5日、日本市場が急落した“日本版ブラックマンデー”では、多くの個人投資家が恐怖に駆られて狼狽売りに走る光景が見られました。
暴落だけでなく、じわじわと値を下げる相場でも、「これ以上下がったらどうしよう」と不安になるのは自然なことです。
でも、冷静に考えてみてください。リスクはゼロにできなくても、「減らす」ことは可能です。
しかも、複雑なテクニックは不要。
答えはシンプル、「真の分散投資法」にあります。
たとえば、新NISAで圧倒的人気を誇るオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)。これをベースに、ほんの少し工夫を加えるだけで、リスクを抑えつつリターンを追求する、堅実な戦略が実現できるのです。
では、まずはオルカンの直近パフォーマンスをチェックしてみましょう。
オルカン1本では危うい?医師投資家が知るべきリスクと限界
オルカンは信頼感と人気は抜群ですが、2024年のマーケットの荒波には、さすがのオルカンも揺さぶられました。
以下、使用した具体的な基準価格は、2025年5月22日時点の楽天証券サイト掲載データです。
直近6ヶ月のリスクは 20.27%。
これは「一定期間ごとのリターンが、平均値からどれくらいブレているか」という意味で、この数値が高いほど、パフォーマンスの“ぶれ幅”が大きい、つまり不確実性が高いということを示します。
通常のオルカンのリスクは16~18%が目安なので、これは明らかに高リスク状態です。
しかも、リターンはというと…年率-7.45%。数字を見ただけで胃が痛くなりそうです。
オルカン一本で資産運用していた個人投資家が、夜中に目が覚めて評価額をチェックしてしまう気持ち、よく分かります。
でも、ここで提案したいのが「ちょっとした分散の工夫」。
投資資金のうち30%をファインゴールド(三菱UFJ 純金ファンド)に振り分けるだけで、全体の値動きが驚くほど安定します。
「金」を加えるだけでここまで変わる!オルカンとの分散効果とは?
では、オルカンにファインゴールド(三菱UFJ 純金ファンド)を30%加えた場合の効果を、数字と図でハッキリ見ていきましょう。

驚くべきは、オルカン単体よりもリスクが明確に下がり、リターンがプラスに回復している点です。
実は、ファインゴールド単体よりもリスクが低くなるという結果にもなっています。
これは直感的には不思議かもしれませんが、「分散投資」の持つ相関の低さを活かしたマジックです。

横軸がリスク、縦軸がリターンです。
上に行くほどリターンが大きく、左に行くほどリスクが下がります。
この図を見ると、わずか30%の資産配分が全体のバランスを取ってくれるかが、一目で分かります。
これがまさに、「真の分散投資法」の威力です。
なぜこのような現象が起きるのか?
どの割合が最適なのか?
それについては、より詳しく数値的に分析した内容を有料noteで公開します。正直、自分でもこの結果には少々驚いています。
最後に重要なことを一つ。
本記事は、オルカンやファインゴールドを推奨する意図ではありません。
あくまで2つのファンドを通じて、「分散投資の考え方」とその威力を解説したものです。
また過去のデータを用いての検討なので、将来のリターンを約束するモノではありません。
投資判断はあくまでご自身で。ですが、忙しいドクターにとって「預けっぱなしでも耐えうる設計」は、心の余裕を生む最大の防御です。

医師投資家にも再現可能!オルカンと金の分散効果をシミュレーションで検証
今回の分散投資の効果検証にあたっては、現実的かつシンプルな投資行動を前提にしたシミュレーションを行いました。
忙しい医師でも実行可能な、再現性の高い設計です。
まず、オルカンとファインゴールドの分散比率を3パターン(70:30、50:50、30:70)に分け、それぞれのケースでのパフォーマンスを比較しました。
オルカンは2018年に設定された比較的新しいファンドですが、最大5年間の月次データを使って分析しています。
ファインゴールドも同様に、同期間のデータを採用しました。
オルカン×金(ゴールド)の分散効果を、実際にどの組み合わせが最もリスクを抑え、リターンを高めるのか──
70:30?50:50?それとも30:70?
それぞれの配分パターンで、どれだけポートフォリオが安定するのかを、
リアルなデータをもとに徹底検証しました。
多忙な医師でも“投資でストレスを減らす”ためのヒントが詰まっています。
興味を持っていただけた方は、ぜひ続きをご覧ください。
資産運用が不安な個人投資家へ。金を取り入れるだけで安心が変わる!|noteで公開中
有料note目次
●短期で見えてきた分散投資の効果──個人投資家が知るべき6ヶ月の変化
●1年でここまで安定!株と金の組み合わせが個人投資家にもたらす安心感
●3年で実感する長期×分散投資の威力──会社員こそ取り入れるべき理由
●5年で明らかに!オルカン×金の最適な分散比率と投資の安定性
●20年で証明された「株と金」の分散投資効果──個人にとってのひとつの解答
●分散投資がストレスを減らす理由──相関とリスク低減のメカニズム
1)数学的な裏付け:相関が鍵を握る
2)S&P500と金価格の動き
3)「ファインゴールド > オルカン」ではない。時間軸のマジック
●オルカンに潜む“片翼投資”の罠──個人投資家が選ぶべき真の分散とは?
1)オルカンが真の分散投資でないワケ
2)本当の分散投資とは?
3)結論:オルカンは“片翼の投資”
●長期×分散が最強の投資戦略──個人が安心して資産を増やす方法
1)時間がリスクを中和する
2)単体より「組み合わせ」がもたらす安心感
3)個人投資家だからこそ、分散と長期が武器になる
●ビジネスパーソンにこそ必要な「負けない投資」──分散と長期の力で投資ストレスをなくす
1)成功する個人投資家に共通する条件:退場しないこと
2)相関の低い資産の組み合わせがもたらす「心の余裕」
3)オルカンの限界と分散の本質
4)あなたに最適な「分散比率」を探そう
5)最後に
分散投資の考え方が、とても参考になります。