値上げが止まりません。
ウクライナ危機によるエネルギー高騰だけでなく、
最近は他のモノまで上がっています。
そんな中、「世界インフレの謎」を読みました。
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とても面白い!
「あくまで仮説」と著者は述べていますが、今の状況をとてもわかりやすく分析しています。
この本で学んだことを元に、現状、今後の展望を考えてみました。
日本もインフレマインドに!
著者らが行った2022年5月のアンケートでは、2021年までと異なり、「今後物価は上昇する」と答えた人が過半数を超えました。
近年は「物価は変わらない」とする意見が大半だったため、大きな変化です。
消費者は値上げを「仕方ない」と思いはじめました。
以前のブログで予想した通り、エネルギーと食品価格の上昇が、消費者の意識を急速に変えました。
なぜか?
それはコロナ禍で人びとの行動が変わったためです。
キーワードは行動変容
COVID-19の恐怖により、人びとは行動を変えざるを得えませんでした。
オミクロン株となり弱毒化しても、変わった行動様式は後遺症のように継続します。
3つの行動変容がインフレを招いています。
消費者の行動変容
コロナにより、巣ごもり需要が増えました。
行動制限が解除されても、感染恐怖のため、人が集まる所へはあまり行かなくなっています。
つまり、モノは売れるがサービスは減るという事態になりました。
モノの価格は急上昇。
しかしサービス価格は、なかなか下がらない性質があります。
そのため、全体として物価は上昇しました。
労働者の行動変容
コロナの恐怖で人々は働くのが怖くなりました。
特にエッセンシャルワーカーが顕著です。
開業医でも、高齢のドクターは閉院するところが出てきています。
米国では自発的な退職・求職者が、高齢者や女性で増えました。
日本人の感覚からすると「働かなくて食べていけるの?」と思っちゃいますけどね。
その結果人手不足となり、賃金が上昇しています。
COVID-19が落ち着いても状況は変わらず、2022年11月の米国平均時給は、前年比で5.1%上昇しています。
時給3,000円出さないとバイトが集まらないとか・・・。
人手不足による賃金上昇が、インフレの原因の一つです。
企業の行動変容
中国などのロックダウンは物流停滞を産み、企業の生産能力が低下しました。
特に半導体不足は顕著で、電化製品、クルマなどがモノ不足から値上がりしています。
新車は納期1年で、中古車価格が上昇しているとか。
企業は危機管理から、コストが多少高くとも、安定な供給先に変更しています。
部品価格は上昇することとなり、これもインフレの原因となっています。
賃金はどうなるか?
物価が上昇しても、賃金が上がれば問題ありません。
欧米では人手不足から賃金が爆上げ。
消費者は値上げを「仕方ない」と思い始めており、企業は安心して価格転嫁するようになりました。
2023年春の春闘では、賃上げに向かう可能性が高くなっています。
ようやくデフレ脱却かもしれません。
しかし医者の給与は上がらない!
一方、医療費抑制の流れは止まりません。
医療機関の収入が増えなければ、医者の給与も上がりません。
上がってゆく物価を横目に、医者の購買力は低下する可能性が高い!
このままでは、ドクターは貧乏になります!
今から対策する必要があります。
医者のインフレ対策:まとめとして
「世界インフレの謎」は需要と供給のバランスから物価を論じていますが、
中央銀行による通貨増発にまったく触れていません。
増えたマネーは金融資産や実物資産へ流れ、爆上げしました。
海外では不動産価格高騰から家賃が急上昇し、インフレの大きな要因となっています。
バイトを増やそうにも、限界があります。
医者はまず高支出を見直し、
不動産、貴金属、株など、インフレで大きく上昇するモノへ資産の比重を移すと良いでしょう。
このブログで節約・ゴールド・ダイヤモンド・高級腕時計などを取り上げているのも、コレが理由です。