こんにちは、山のクマです。
日経ヘルスケア11月号に『コロナが幕を開ける「診療所大廃業時代」』という記事が載っていました。
コロナ禍で収入減となり、廃業を実行・検討する開業医が増えているという内容です。
データでは開業医の過半数が60歳以上であり、驚きはありません。
継承者が見つからない場合は、廃業しかありませんからね。
しかし兵庫県保険医協会の会員へのアンケートで、目を引くモノがありました。
「3割強が引退後に生活水準を維持できるか、不安を感じている」
「開業医は金持ちなのに意外」と思われる方も多いでしょう。
今回は、とある元開業医を紹介し、老後の対策を考えます。
院長婦人の不安
以前、ある引退した開業医の奥さんから、
夫(元院長)が高齢で入所して生活が苦しくなり、相談に乗った事があります。
夫は80歳半ば、妻は70歳後半です。
クリニックは子供さんが継いでおり、そこから役員報酬と地代をもらっています。
年金を含めて世帯年は760万円でした。
貯蓄額を聞いたのですが、曖昧にして本当の額を教えてくれません。
個人年金は年120万円ありますが、株などの金融商品は個人国債だけ。
資産はトータルで2,000万円強くらいかと想像しました。
同年代と比べるとかなり恵まれており、通常は問題ありません。
まず生活費を聞いたのですが「よくわからない」と。
耳を疑いました。
あらためて生活費を洗い出してもらったのですが、使っていないクレジットカードの年会費など、無駄なモノが次々出てきます。
しかも電気代が月10万円!オール電化でも高すぎます。
夜間割引を知らずにいたため、この値段になっていました。
設定を変えて、今は半額の5万円です。それでも高いですが・・・。
帰り際に何気なく玄関を見ると、通販カタログの山が・・・。
引退後の家計に不安を感じる原因
様々な経験を通して、次のような要因があるとわかりました。
月々の生活費を知らない
毎月家計簿をつけて生活費を管理しているヒトは、全体の23%程度です。
一方1回も家計簿をつけたことのないヒトは17.5%にも昇ります。
これは開業医も同じ。
しかも高収入な分、家計簿をつけなくても生活できてしまいます。
その結果、節約という意識が育たず、老後に苦しむこととなります。
高支出という自覚がない
医者コミュニティーは、高収入高支出です。
周りも贅沢なため、自分を「普通」と思ってしまうんですね。
さらに生活費を知らないと、高支出という実感はゼロになります。
老後に収入が激減する
これが最も不安の原因です。
多くの開業医は引退後、貯めた資産と年金で生活するようになります。
個人事業主なら国民年金、医療法人なら厚生年金と違いがありますが、
現役の時より明らかに収入が下がります。
引退後に現役と同じ生活を続ければ、ドンドン貯蓄額が減っていきます。
残高が減ることはものすごいストレスとなります。
ファイナンシャルプランナーは「老後は貯蓄を取り崩すことに慣れるように」とアドバイスしますが、
不安という感情は理性を凌駕します。
対応策
原因がわかれば、対応策が見えてきます。
生活費を把握する
もっとも重要です。
生活費が把握出来ると、貯蓄が何年持つのかはっきりします。
自分の母親も、計算して「結構大丈夫なんだ~」とホッとしていました。
コレを知るだけで、不安は大分解消されるんですね。
節約
生活費を調べて行くと、使途不明金に気づきます。
それを調べることが節約の第一歩です。
コンビニなどでのちょっとした買い物が、原因として一番多いです。
さらに支出を調べると、思った以上にムダな出費が出てきます。
使っていないクレジットカードやジムの会費などなど。
無駄を「見える化」することで、節約のポイントがつかめます。
定期収入の道を作る
老後不安の根本は、収入の減少です。
さらに前出の元開業医のように、介護費・医療費が増加します。
年金以外の定期収入を現役から作る事が、対策となります。
また個人年金、iDeCo、NISAも利用したいところです。
医療法人へ移行すると、小規模企業共済は強制的に解約させられます。
その時には、年金のように受け取れる生命保険の利用を考えます。
さらに、株やRIETの配当金・分配金を見込んだり、
不動産投資による定期収入化も検討すると良いでしょう。
ただし投資はハイリスク・ハイリターンです。
十分な勉強と、若い頃からの実践がマストです。
まとめ
多くの人が老後の不安を感じています。開業医も同様です。
多くは漠然とした不安であり、
一つ一つ原因を探して行くことで、
大部分の不安が解消されます。
ただ根本的な解決は、
現役時代からの積み重ねが必要です。
今回の記事が参考になればと思います。
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