おいおい、本当か?フェイクじゃないの?
こんにちは、山のクマです。
ウクライナ情勢で様々な情報が出てきています。
本当のニュースは、
「プーチン大統領は3月9日に、金の購入に対する個人の付加価値税(VAT)を免除する法律に署名した」
なーんだ、税金の話ね。
ロシアでは市民がルーブルを外貨に換える動きが進んでいます。
政府としてはその代わりにゴールドを買ってもらい、外貨流出を止めようとしているのかなーと思っていました。
でも金に税金がかからないとすると、金はモノではない、ていうことですよね。
そんじゃやっぱり「お金」なの?
ゴールドは換金性抜群なんですよ。世界どこででも通貨に換えられます。
そのため「金本位に復帰か?」なーんていう話が出てくるんですね。
でもロシアは金産出国。もしかして・・・。
ロシアが金本位制に移行できるのか、分析してみました。
あ、学術的な分析ではないですよ。一個人投資家としての分析ですからね。
参考にしたサイトは以下の通りです。
各国中央銀行のサイト
金本位制には2種類ある
今の時代、金本位制は無理だよね~。だって金が足りないもん。
こういう反応が圧倒的です。たしかに各国の経済状態に比べて、ゴールドの量は多くない。
でもね、金本位制って2つあるって知ってました?今回調べてびっくりしたんですよ。
狭義の金本位制
通貨価値の100%、金を用意しなきゃいけないモノ。
基本は金貨や大判・小判。
その発展として兌換紙幣。コレ、金と交換できる通貨です。
金本位制の原点なんですが、さすがに現代では無理。
そのため、もう一つの金本位制があるんですよ。
広義の金本位制
政府が通貨と金を交換できることを「保証」する制度。金為替本位制(きんかわせほんいせい)とも呼ばれています。
ん?さっきと同じじゃないの?
いえいえ。これだと100%金を用意しなくてイイんですよ。
え、どういうこと?
具体例を見てみましょう。ブレトン・ウッズ体制です。
ブレトン・ウッズ体制
第二次世界大戦後、貿易で使うマネーをドルにしましょうという協定がブレトン・ウッズです。
当時米国は世界一の金保有国。その量2万6千トン。
このゴールドをもとに、米国は金1トロイオンス(約31.1グラム)を35ドルと固定した金本位制をとりました。
でも、その内情はどうだったのか?
1950年のFRB(米国の中央銀行)の財務状態を見ています。
総資産:446億ドル
金保有:26,000トン=292億ドル
ん、ん、ん、ん?????100%じゃないじゃん!!!!!
そうなんですよ。金準備率65.4%なんです。
その後もっと悲惨な状況になります。
米国の貿易赤字拡大、ベトナム戦争による巨額出費などで、
「おい、本当にドル大丈夫か?信用ならねー」
とフランスやドイツなどが、ドルと金の交換を要求。
ドンドン金が流出し、2万6千トンあったゴールドが1971年には8千133万トンにまで減っちゃいました。
当時はドルの信用がホントになかったようで、
イタリアでランチした米国人旅行者が、ドルでの支払いを拒否されたという逸話も残っています。
1971年のFRBはどうだったんでしょう?
総資産:902億ドル
金保有:8,133トン=92億ドル
ありゃりゃりゃ・・・。10.1%になっちゃったよ。
当時の大統領ニクソンは、とうとう耐えきれなくなり、1971年8月15日にドルと金の交換を停止しました。これが有名なニクソンショック。
その後様々な経緯で、現在の貨幣制度、変動為替制度になりました。
当時米国では国民の金保有が禁じられていたとはいえ、
金準備10%以上で金本位制は成立すると思えます。
じゃあ、今のロシアはどうなんだろう?
ロシアは金本位制に復帰できる!
計算します。前提として、
・1ルーブル=0.014ドル
(今は0.007ドルですが、暴落前のレートを使います)
・金1トロイオンス=2,000ドル
を用います。
ロシア中央銀行総資産:7,560億ドル
金保有:2,298.5トン=1,477億ドル
準備率 19.5%
おー、ほぼ20%。金為替本位制という状態なら、すぐに金本位制に復帰できますね!
ルーブル暴落後のレートを当てはめると総資産が半分になるため、準備率が40%近くにも達します。
しかもロシアは年間金生産量300トンで、世界第3位。
今後積み上げてゆけば、準備率はさらに増加します。
他の国はどうだろう?
同じ指標を使って、計算します。
中国:総資産 6.5兆ドル、金保有 1,253億ドル、準備率 1.9%
インド:総資産 4,160億ドル、金保有 484億ドル、準備率 11.7%
EU:総資産 9.3兆ドル、金保有 6,097億ドル、準備率 6.5%
米国:総資産 8.9兆ドル、金保有 5,230億ドル、準備率 5.9%
日本:総資産 6.2兆ドル、金保有 544億ドル(時価換算)、準備率 0.9%
インドが可能性あるかな?ただインドではほとんど金が産出されないんですよ。
中国は年間400トンの金生産があるので、もしかしたら・・・。
日本はどうあがいても無理です。
ちなみに日銀のサイトには、金 4,413億円と載っていますが、10年以上変わっていません。
時価ではなく簿価で記載しています。おいおい、大丈夫か日銀・・・。
まとめ
ロシアが金本位制を敷くなど、荒唐無稽な話かと思っていました。
でも調べてみると、意外や意外、現実味がある話。
実際どうなるかは分からないですが、今後の経過を見守る必要があると強く感じました。