臨床

【緊急提言】モンスターペイシェントを撃退せよ!

【緊急提言】モンスターペイシェントを撃退せよ!
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こんにちは、山のクマです。

大阪ビル放火埼玉立てこもりなど、痛ましい事件が相次いでいます。

犠牲になられた方々のご冥福をお祈りします。

これらは氷山の一角で、医療現場は患者からの暴力に常に曝されています。

このままで良いのでしょうか?

フランス国家「ラ・マルセイエーズ」に

「武器を取れ 市民らよ」という歌詞があります。

我々も武器を取らなければならない!

そんな思いが強くなりました。

患者からの暴力=ペイシェントハラスメントにどう立ち向かうか。

考察しました。

背景は貧困

大阪ビル放火の容疑者は、お金に困っていました。

埼玉たてこもり殺人の容疑者についてはこれから解明されるでしょうが、8050問題を指摘する声もあります。

貧困は様々な社会問題を生みます。

彼らも切羽詰まって暴挙に及んだのでしょう。

貧困問題は世界中で問題となっており、

カンタンには答えが出ない状況です。

なぜか男性

モンスターペイシェントは、中高年の男性が多いです。

当院も同じです。

女性もいるのですが、怒鳴る・威嚇する・手を挙げるなどは、圧倒的に男性です。

なぜ男性なのでしょう?

彼らの現役時代は、高度成長期でした。

戦後日本が輝いていた時代です。

きっと生き生きしながら仕事をしていたのでしょう。

しかし退職後、生きがいがなくなります。

家にいても妻からは邪魔者扱いされ、居場所がありません。

そこに、加齢による脳の変化が加わります。

感情をコントロールする前頭葉が縮んで、

ちょっとした怒りも抑えることが出来なくなります。

不安感、焦燥感が怒りへと変わり、暴力行為に発展する。

高齢男性の生きがい喪失。

こちらも解決法は、簡単には見つかりません。

なお小説を読むと、彼らの心情、状況が痛いほどわかります。




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ドクターよ、武器を取れ!

貧困、居場所喪失といった問題は、確かに同情すべき点もあります。

しかし、だからといって医療従事者に危害を加えて良いわけありません!

根本的な解決までは時間がかかるでしょう。

それまで待っていては、被害が増えるだけです。

医療者も自衛が必要です。

そう、武器を取りましょう!

医者の武器は「頭脳」

モンスターペイシェントに立ち向かうのに、銃は必要ありません。

必要なのは知識と知恵です。

モンスターペイシェントは目の前のことしか見えませんが、

医者は先が読めます。

暴力行為に及ぶ前に芽を摘みましょう。

予防こそが最強の戦略です。

モンスター化の予防は?

当院で気を付けているポイントを列記します。

・待合室に「暴力禁止」のポスターを貼る
・迷惑行為には毅然とした態度で望む、ひるまない
・男性医師が対応する

医療者は慈悲深いので、患者の高圧な態度にも我慢します。

でも、それでは相手につけ込まれます。

「ペイシェントハラスメントは絶対許さない」という強いメッセージを打ち出すことがポイント。

また、高齢男性クレーマーは女性を見下します。

その一方、男性が対応すると態度を軟化させます。

当院では院長(男性)が早めに対応し、迷惑行為の早期決着を図っています。

その際、診療拒否も辞さないという態度で対峙します。

「応召義務」がアタマをかすめると思いますが、2019年に厚生労働省から出された「応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」の中で、

「診療・療養等において生じた、また生じている迷惑行為の態様に照らし、診療の基礎となる信頼関係が喪失している場合(例えば、診療内容そのものと関係のないクレーム等を繰り返し続けるなど)には、新たな診療を行わないことが正当化される」

と示されています。

法的な判断は専門家にゆだねる必要がありますが、迷惑患者には強い態度で接するべきです。

モンスターペイシェントは、もう「患者さん」ではありません。

ハラスメント時には「どのような状況だったか」をカルテなどに「記載する」コトが重要です。

迷惑行為を指摘するときには、「人」ではなく「言動」について注意することが大切です。

人格非難ととらえられると、相手は激情します。

なお、クリニックの院長が女性の場合は、正直なところ難しくなります。

院長が腹を据えて挑むか、スタッフに屈強な男性がいると良いかもしれません。

警察との連携は必須

クリニックで対応しても、迷惑行為が収まらないこともあります。

その時には警察の出番です。

どのような状況なら相談できるのでしょう?

それは「威力業務妨害」です。

迷惑行為を具体的に頭にたたき込み、常に最寄りの交番と連携をとることで、

いざというときに対応できます。

日本は法治国家です。

法には力があり、実行するのが警察です。

ちなみに社会学では、警察は暴力装置と呼ばれているんですね。

法律を熟知し、警察機関と協力することにより、

モンスターペイシェントに対抗しましょう。

もはや性善説では診療できなくなった

イヤな時代になりました。

みんな簡単にキレるんですもん。

普段笑顔で患者さんに対応していますが、

理由の一つが「相手に不快感を与えないため」。

モンスター化しないよう、注意しているのです。

また患者を多く診ていると、

モンスター化しやすいヒトを、嗅ぎ分けられるようになります。

イヤな能力が身についたなと、つくづく思います。

でも、トラブルなくクリニックを運営してゆくことが、

医療者にも患者さんにも、一番大切なことです。

また明日からの診療も、ガンバりましょう!

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