最近は新聞や雑誌などで、
金取扱業者の広告を頻繁に見かけるようになりました。
でも、周りで金に投資しているドクターは、ほとんどいません。
それどころか、うさん臭いと思っている人が多い。
なんでなんだろう?
今回はこの辺りを考察しました。
金投資は反対する人も多い
ネットで「金投資やめとけ」と書いてあるサイトでは、
主に次の3つが理由として挙がっています。
・豊田商事事件
・金利が付かない
・手数料
一つ一つ見てみますね。
豊田商事事件
50歳以上のヒトは記憶にあると思います。
1980年代、豊かになった日本人はゴールドを好むようになりました。
そこに目をつけた豊田商事は「金の裏付けのある証券」と謳って、詐欺行為を働いていました。
今ならニセの金ETFを売る、というイメージです。
かなりの被害が出て、メディアも大騒ぎしました。
お茶の間に殺人の瞬間が放映されるという、前代未聞の出来事。
この事件で「金投資=うさんくさい」というイメージが定着してしまいました。
しかも悪いことに、その後25年にわたって、円建ての金価格は低迷。
日本での金人気は一気に下落したのです。
本当に豊田商事は罪作りです。
金利がつかない
株や債券に好んで投資している人たちが「必ず」と言って良いほど口にします。
確かにゴールドに金利は付かないのですが、
自健例では、純金積み立てとスポット購入で、年5%くらい上昇しています(単利)。
しかも税金は発生しません。
金利を受け取ると20%の税金がかかりますから。
まあこの間、S&P500指数は8%を越えているため、確かに金の方が分が悪いですが・・・。
純金積み立ては手数料が高い
S&P500の代表的なETFであるSPYの手数料は0.095%ですもの。
しかしゴールドも、金額が多くなると手数料は安くなります。
ある程度投資できるヒトでないと、確かに難しいです・・・。
手数料を嫌うなら、毎月スポットでの購入が良いでしょう。
金投資の長所
だんだん金投資のメリットがなくなってきた・・・。
それでもゴールドは良いと思っています。
インフレ対策
金はインフレの時に上昇します。
本来なら株もインフレ対策となりますが、今は違います。
なぜなら機関投資家はレバレッジをかけて(=借金して)株に投資しているから。
インフレの時は金利も上がりますから、投資にかかる手数料も上がります。
実際FRBが利上げの立場を鮮明にした途端、株価は下落しています。
信用リスクがない
なんのこっちゃ?
株は会社が倒産したらゼロになる。
社債は会社が倒産したらゼロになる。
国債は国が財政破綻したら暴落する。
通貨は国の信用がなくなると暴落する(例:一時期のロシアルーブル)
では金は・・・・?
どこが潰れても、価値はゼロにならない。
世界中どこに行っても、買い取ってくれる人がいます。
これぞ人間が古来お金として使ってきた理由。
分散投資として
株は値動きが激しいです。
資産を全て株にしちゃうと、夜も寝られなくなります。
それに比べると金は上下動が少ない。
動きが別のモノを持つことで、資産価値が安定します。
一物一価
金は世界各国、どこで買っても値段はほぼ同じです。
値段に差が出るのは、販売店の手数料の違いです。
現物資産の中では珍しいのです。
土地は売り手と買い手の状況や仲介業者により値段が変動しますし、
宝石はまだまだ価格が不透明。
金は正規取扱店なら、世界中どこでも安心して売り買いできます。
災害に強い
金は様々な災禍で生き残ってきました。
阪神淡路大震災では、焼け残った自宅金庫の金貨は無事でした。一万円札は灰になったそうです。
2011年のアメリカ同時多発テロの時、崩れたツインタワーの地下にあったNY連銀金庫の金塊8トンは、無事に取り出せました。
ダイヤモンドは600℃で燃えはじめますが、金は1000℃以上で溶け始めます。溶けても重量は変わらないため、価値保存に優れると言えます。
まあ耐火金庫は火事の際、庫内は177℃までの上昇と言われているため、貴金属、宝飾品は金庫に保管するのがベストですね。
金投資を勧められないヒトはいる
どのような人か?
貯金が少ないヒト
例えば貯金100万円では、節約と収入を増やすことに全力を挙げた方が良いと思います。
特に節約は、自分でコントロールできる資産形成法です。
タネ銭をためるには自己コントロールが必要。
できない人が投資すると、あっという間にゼロになります。
節約+収入増で貯蓄がドンドン増えてきたら、
金投資をはじめても良いと思います。
使う予定がある資金のみのヒト
子育て世代が典型です。
貯金1,000万円を越えても、自宅を買う、開業資金とする、教育費用など、使う目的のハッキリしているお金では、投資はダメです。
余裕がない状態では、わずかな損に耐えられず、資産を減らすことになります。
金に限らず、投資は余剰資金で。
損に耐えられないヒト
金は株と同様、短期間には上下します。
日々の価格に神経質となり、仕事に支障が出るようなら、金だけではなく投資そのものが向いていません。
金や株は、あくまで長期投資が基本です。
一攫千金を狙いたいヒト
上場したてのAmazon、ファーストリテーリングなどに投資していたら、今頃ウハウハでしょう。
ゴールドは上下動が少なく、面白みがありません。
でも一攫千金を狙う人たちって、どの程度成功しているんでしょうね?
まとめ:なぜ金投資をやっているか
金投資に反対しているヒトって、資産を守ろうとしていないんじゃあないかと思うんですよ。
金は爆上げしません。しかし暴落は、あっても一時的です。
上昇率は株よりは低いので、投資の主流ではありません。
でも、株とは違った動きをして、かつ信用リスクがないため、
資産保全にはうってつけです。
一般的に、資産の10%程度を金で持つよう、勧められています。
さらに強みがあるんですよ。
それは国家財政破綻のリスクヘッジになること。
こちらの本を参考にすると、日本国債デフォルトは未払いでなく、高度インフレとなって現れるでしょう。
国家は破綻する
→Amazon.co.jp
インフレに強い金は、国家破綻への最強の備えです。
日本は国家破綻しないって?本当ですか?
破綻しなければ、皆ハッピーです。でも万が一破綻したら?
保険診療は消滅するか、少なくとも大幅縮小となるでしょう。
医者も、大きなダメージを食らいます。
いざというときに自分の資産を守ってくれるゴールドは、医者にこそ必要な資産だと思っています。
まさに「有事の金」。