こんにちは。山のクマです。
興味深い本を見つけました。
影響力の正体→Amazon.co.jp
人間が影響力を受ける心理学的メカニズムを、さまざまな研究結果を通して示しています。思い当たることばかりです。
それは
・整合性
・社会的な根拠
・好意
・権威
・希少性
の5つです。
人間の消費行動も、さまざまなものに影響を受けます。つい店側の策略に乗って、余計なお金が出て行くことがあります。
今回はこの本に沿って、余計な出費を防ぐコツを考えてみます。ポイントは、「買わせる仕組み」を見抜くことです。
恩義
「人は、他者にしてもらったのと同等のお返しをすべきだ」 p 32
自分自身も、思い当たります。最初に頭に浮かんだのが「ホワイトデー商戦」。昔は病棟や医局で、義理チョコをもらいました。
そのほとんどは、妻の口に入りました。
お返しをしなければなりません。しかも、たいていはもらったモノより「高いモノ」になります。
これについては・・・職場環境を良くするため、おとなしく財布を開くしかないでしょう。
今は義理チョコは、ほとんどなくなったと聞いていますけどね。
「何かでゆずってくれた相手には、こちらもゆずらなければならない」 p57
車などを購入する際、セールスマンが渋い顔をして割引額を大きくしてくれたときは、つい罪悪感が芽生え、契約書にサインしそうになります。
でも、彼らは赤字になるような取引は「絶対に」しません。在庫処分のようなモノでも、トータルでプラスに持って行っています。
強い気持ちをもって、もう一声値引きを引き出してみてはいかがでしょう?面の皮を厚くするのも、節約のコツです。
整合性
「自分の行った選択に対して、首尾一貫した行動をとらなければ、というプレッシャー」 p 86
一度「買います」と言ってしまうと、後で断ることがプレッシャーになります。
もちろん、むやみに断ることは問題です。
しかし、購入意思を示してから様々なオプションを提示したり、当初の約束ほど値引いてくれなかったり、詳細な説明で疑問点が出てきたときには、立ち止まって考える必要があります。
以前、融資を受ける契約を結ぼうとしたのですが、担保設定がどう考えても不利であったため、契約書にハンコを押さなかったことがあります。
「おかしい」と感じたときは、勇気を持って断ることが大切です。
社会的な証拠
流行りモノに飛びつくことです。
「わたしたちは、ほかの人たちが正しいと考えていることをもとにして、何が正しいかを判断する」 p 168
古今東西、ヒットチャートの上位の商品は、上位であるが故に選んでいる人が多いのです。
古くはたまごっち。最近ではタピオカやスムージーでしょう。
少し流行りモノに乗っかるのも良いでしょうが、一歩引いて「他の人は欲しがっているけど、本当に自分は欲しいの?」と考えてみると良いでしょう。
好意
「製品購入を決する力は、製品そのものに抱いた好感より、社会的な結びつきのほうが2倍も強かったのです」 p 239
親戚の販売員を通して生命保険に入る状況が、これにあたるでしょう。
本当に自分に合っている保険でしょうか?一度立ち止まって考えてみる必要があります。
「人は、驚くほどお世辞に弱い」 p 249
承認欲求が強い人ほど、お世辞にやられます。
またセールスマンが学歴のことを話してきたときにも、要注意です。医者はただでさえ高学歴なので、良い気分にさせられます。
相手がおべっかを使ってきたら、頭にアラームを鳴らしましょう。
権威
「わたしたちみんなの心の奥深くにある、権威に対する義務感と関係がある」 p 302
ドクターが引っかかることはほとんどないのですが、一般人はナントカ研究所が勧めるサプリを、本当に良く買っていますね。
こちらが、そのサプリの効果には疑問点があると説明しても、聞く耳を持ってくれません。これは、一度購入したら自分の行動に整合性を持たせたいという心理も、関係してきます。
また著者は、マイナス面を少し織り交ぜると話に真実みを持たせることが出来るとも書いています。
自分が使っている電子カルテをデモでみたとき、販売員は
「これは、見た目が良くありませんが、自由度が高く、値段が安いのが特徴です」と話していました。
上手ですよね。使っていて、満足していますが・・。
希少性
「(希少性の)中でもおそらく一番簡単な使い方が、”数量限定”のテクニックです」 p 339
これは良く目にします。コンビニのお菓子コーナーに行くと、数量限定・季節限定の商品が全体の3割は占めます。
バーゲンも、購入希望者が多いことから、結果的に数量限定となります。福袋も、一種の希少性です。
まとめ
ヒトは物を買うとき、本当に衝動的・感情的に動きます。セールスマンはこの点を利用して、購買意欲をそそっているのですね。
衝動的にモノを買うことも、楽しみの一つではあります。しかしそれを繰り返すと、気づいたときには口座残高が少なくなってしまいます。
なお、「お得」も感情に訴えて買わせるテクニックです。こちらのブログでは「お得」の代表であるポイ活を取り上げました。
大切なのは、一歩立ち止まって、「本当にこれが必要なのか?」と自問することですね。