こんにちは。山のクマです。
米国時間5月10日から、日米の株価が暴落しています。
株価が暴落すると、経済誌は悲観的な論調になりますが、長期投資をメインとする個人投資家にとっては、良いチャンスです。
今回のブログでは株価指数が下がっている要因を分析し、今後の投資戦略をどう立てるかを考えてみました。
大きなポイントは、米国金利の上昇・インフレが意識され、レバレッジを使った投資がやりにくくなっているという点です。
一個人投資家の考えとして読んでもらえればと思います。
アーケゴスの破綻
まず事の発端は、アーケゴスの破綻です。
海外の投資ファンドは借金をして、つまりレバレッジをかけて株を買うので、下落すると簡単に破綻します。
アーケゴスはかなりレバレッジを掛けていました。
また米国金利がじわじわ上昇していることも、つまり借入金利が上昇していることも、破綻の原因かもしれません。
これから先、レバレッジの逆回転、つまり株価を売って手持ち資金を確保する動きが進むと思います。
米国雇用統計結果の失望
次に、5月7日に発表された米国雇用統計が、予想より遙かに悪い結果となりました。
米雇用統計、4月は26.6万人増と肩透かし 労働力不足など逆風
つまり、米国の景気は思ったほど回復していません。
個人消費がGDPの約7割を占める米国では、雇用が回復しないと景気は良くなりません。
これも株価には悪材料です。
米国消費者物価指数の大幅な上昇
今回の株価下落の引き金になったのは、5月12日に発表された米国消費者物価指数の大幅な上昇です。
米消費者物価指数、前月比で2009年以来の大幅な伸び-予想上回る
実は数日前から予想されていて、じわじわ株価を下げていました。
インフレ懸念からFRBが金利を上げるのではないか、とマーケットは怖れています。
当のFRBは、今回のインフレ上昇率は一過性とのコメントを出しています。
確かにそうかもしれません。
しかし、今回のネガティブサプライズで、マーケット参加者にインフレリスクが大いに認識されました。
今後、インフレを予測されるような指標などが出てくると、過敏にマーケットが反応して下落すると思っています。
個人投資家の戦略
以上から、これからは下げ相場になると考えました。これは日米とも同じです。
機関投資家は戦々恐々でしょう。
しかし、時間に余裕を持てる個人投資家には大いなるチャンスです。
まず押さえておきたいのは、下落時に株を買えるよう、今からキャッシュリッチにしておくことです。
資金不足で株が買えないという状態は、是非避けたいところです。
次に、今から買うべき銘柄の選定をしておく必要があります。
企業分析には時間がかかります。しかし株価暴落は一瞬でやってきます。
「牛(ブル:上昇トレンド)は階段をゆっくり昇り、熊(ベア:下げトレンド)は窓から飛び降りる」という格言もあります。
現金を保有し、下落のタイミングを待ち、下がりきったところで、買えるだけの株数を買う。
これを心がけています。決まると、とても気分が良い戦略です。
銘柄が絞りきれないときには、日経平均、TOPIX、ダウ、S&P500、NASDAQなど、株式指標のETFを狙う手もあります。
まとめ
マスメディアは、感情をあおるように報道します。
投資は、メディアに踊らされず、冷静に自分の頭で考える必要があります。
今回の分析をしてみて、マーケットでは既にインフレがかなり意識されていると感じました。
この状態でFRBがさらに金融緩和を行うと、ますますインフレが意識され、金利が上昇すると考えます。
今までは金融緩和により株価が上昇しましたが、今後は金利上昇から株価下落が起こるのでは、と思っています。
金利上昇とは米国債の下落ですから、下手をするとソブリンリスクも意識されます。
米国債がデフォルト?ウソでしょ?
でも、この可能性を追っているヘッジファンドも実は存在します。
日本も米国債をいっぱい持っています。
ポジショントークにはなりますが、国籍のない通貨、ゴールドを一定割合保有することも、今後必要と思っています。