こんにちは、山のクマです。
先日こちらのコラムを書いていて、患者コミュニケーションについてまとまっている本は、ほとんどないことに気づきました。
いろいろ探しているウチに、次のような本を見つけました。医療関係ではないのですが、参考になるところを紹介します。
世界最高の話し方→Amazon.co.jp
患者さんに良い印象を残す
「何を話したか」は忘れても、「何を感じたか」は一生残るのです。
p42
これはとても重要です。多くの患者さんは医学的な知識をあまり持たないため、平易に説明しても、ほとんど頭に入っていません。
その代わり、「一生懸命説明してくれた」という印象は、しっかり残ります。
良い印象が信頼関係を形成し、治療をスムースにします。
そのために必要なのは、やはり
「笑顔」「清潔な服装」「目を見て話す」など、基本的な姿勢です。
正しいことだけを話さない
人は「自分が聞きたい情報だけ」を入れる生き物ということ。
p46正しいこと、ファクトを振りかざしたところで、人の心は容易には動かないのです。
p46
Evidence Based Medicineが叫ばれて何十年にもなりますが、これが現実です。
確かにデータは大切です。ただ、患者さんに生活習慣を変えてもらったり、クスリを飲んでもらうには、データだけではダメなんですよね。
大切なのは、目の前の患者さんの視点に立つこと。
場合によってはエビデンスから少し外れた提案をすることも、必要でしょう。
小さな治療介入から始めて、信頼関係が出来てきたら徐々にエビデンスに基づいた治療をやって行くという手段もあります。
治療を患者さん自身に関連づける
人の興味や欲求のほとんどは、すべて自分に「関係」あるものです。
p62
治療にとって最も大切なのは、患者さん自身に関係すると、認識してもらう事です。
例えば高血圧を放置するリスクを説明するだけでなく、自分で以前診てきた、脳卒中で寝たきりになった患者さんの話を生々しく語ることも、一つの手です。
同じような年齢・性別なら、患者さんは自分に置き換えて聞いてくれます。
他には、降圧薬としてβ-blockerを使って、一緒に片頭痛も軽減するなど、患者さんの悩みを解決してあげる治療も、効果的です。
理由を説明する
言いたいことに「なぜならば」をくっつければ、どんな話でも説得力をもたせられてしまうものなのです。
p100
ただ「検査が必要です」というのではなく、「~という理由で、検査が必要です」と説明した方が、患者さんの納得が得られやすい。
診療では、検査・治療に一つ一つ意味があるので、簡単に理由を述べると、納得してくれることが多いモノです。
まとめ
以上、本の中から医療に応用できそうな部分をピックアップしました。
一般書でも、意外と医療面接に使えるなーと言う印象を持っています。
またこのような本を見つけたら、紹介しますね。