臨床

患者の不安にどう対応する?

患者の不安にどう対応する?
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こんにちは。山のクマです。

クリニックを成功させるには、患者の信頼を獲得することが大切です

信頼には2つ側面があります。

1)医療面での信頼
2)精神面での信頼

医療面の信頼は、技術を磨くことで得られます。

一方精神面での信頼を得るには、患者さんの「不安」に対処することが必要です」。

今回は患者の「不安」を取り上げ、その対応法を考えます。

結論から述べると、全ての患者さんには不安があることを理解し、スルーしないで対応すること。および医者自身が心身とも健康であるコトが重要です

病気は人を不安にさせる

ヒトは健康が脅かされると、不安になります。

不安に冷静に対応できる人なら問題ありませんが、それができない人が非常に多いのです。

そのため、くどくどと話をしてきたり、ずっと悩んだりする患者さんが出てきます。

医者にとっては多くの患者の一人ですが、患者さんにとっては自分の病気が世界の全てになっています。

患者さんの不安をスルーすることは、患者側の世界を無視することになるため、診療に大きなマイナスとなります

面倒くさがらず、医者は患者の不安に対応する必要があります。

ヒトは自分を理解してくれる人に信頼を寄せる

ではどうするか?

患者さんが不安な状態にあることを理解するのが大切です

医者は病気を理性的にみますが、一般人は感情でとらえます。この点をまず認識する必要があります。

看護師は共感するよう求められますが、医学的判断を下す医者は、患者の不安を冷静に受け止める必要があります。

その上で、患者さんの不安を理解していることを、言葉や態度で伝えるのが重要です

例えば、可能性が低くとも、患者が心配している病気の検査も、場合によっては行います。

ココは医学的な判断とぶつかることもあるため、難しい判断にはなりますが・・・。

患者側の心配する病気に対して言及したり、検査を行うことで、患者さんは自分を理解してくれていると感じます。

「自分を理解してくれた」感覚が、医者への信頼感となります

人間は根源的に不安を抱えている

さらに深掘りすると、病気は人間の不安を描出させるきっかけに過ぎません。

人間は根源的に不安を抱えています

そのため病気や不安にきちんと対応しても、不安が無くならないヒトがいます。

不安が強い人は一つを解決しても次の不安を見つけるため、通常の方法では対応が困難です。

自分はこんな時、抑肝散などの漢方薬を良く使います。

漢方薬は上手く合うと、抜群の効果を発揮します。

しかし合わなかったり、漢方薬に偏見を持っているヒトには効きません。

不安が強いヒトは、診療を続けながら、精神科へ紹介するタイミングを逃さないことが大切だと感じています

まとめ:医者自身が健全であるコト

以前は不安が強い患者さんと接するたび、振り回されました。

そのため、なぜ人間は不安を抱えて生きているのだろう?と考えてきました。

そんな中、「生贄探し」という本の中で、インパクトのある文章に出会いました。

(人間について)中でも特徴的なのは”個人”の自我意識というものが、他者の判断によってかたどられているというところではないでしょうか。(p 179)

つまり、人間の自我は他者により、簡単に変えられてしまうという事です

これは根源的な不安となります。

同じ本で述べられていますが、根源的な不安は、自らの経験と思索の訓練で克服するしかないと思います

医者も人間であり、根源的な不安を抱えています。気を付けないと、患者の不安に共鳴してしまいます。

自分も健康に気を遣い、内観を進めることにより、患者の不安に対して冷静に対処できるようになりました。

患者さんの不安に振り回されないよう、心身を整えることが大切ですね

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