金持ちになりた~い。
ほとんどの人がこう思っているだろう。金持ち以外は。
しかしその方法を知っている人は、少ない。
さらに、知ろうとしない人があまりに多いことに驚く。特に医者は。
なぜ知ろうとしないのか?理由は高収入
そのうち勝手に金持ちになってゆくと思いこんでいる。
思うのは自由だ。しかし現実はどうだ?
富裕層に到達したドクターは全体の1割。
多いとみるか、少ないとみるかは分かれるだろうが、
残りの9割は金持ちでないという事実は動かせない。
少しだけ勉強すれば良いのに、モッタイナイ。
医者が金持ちになる最強のツールはたった一つ。
給与天引きの積立預金だ。
30年にわたる経験から、断言できる。
積立預金をやっているヒトは何割?
投資やビジネスに興味のあるドクターが集うサロンがある。
その中で給与天引き積立預金をやっている人は、50%弱だった。
医者全体ではもっと少ないだろう。
ずっとやっていたため、もっといるだろうと思っていた。
積み立てを始めたのは、働き始めてすぐだ。
積立は研修医の時にスタート
当時から資産形成には興味があり、様々な本を読み漁った。
読んで行くと、給料天引きの積立預金が良いと書かれており、始めた。
当時の研修医はブラックで、病院に長時間いた。
彼女とデートしていても、ポケベルで呼び出されたり・・・。
ポケベルを知っているのは、ナウいヤングだけだろう。
とにかく、金を使う暇がなかった。
そのため積立額をどんどん増やし、気がつくと100万円を越えていた。
この額に到達すると、何故か達成感が生まれる。
さらに残高が増えて行くことで、安心感が広がった。
積立預金はその後役に立つこととなる。
積み立てた預金の行方は?
研修医時代に結婚した。相手はデートを途中で抜けた彼女だ。
時はバブル。結納金、婚約指輪、結婚披露宴、新婚旅行、と結婚には金がかかったが、心配はなかった。
積立預金は結婚資金へと化けた。
結婚したら、欲しくなるのは住宅。また、開業を意識しはじめた。
医局の人事で勤務先が変わり、給料も上下した。
特に大学勤務の時は安かった。なんで大学病院は給料が低いのだろう?
しかし歯を食いしばって、積立額は下げなかった。
結果的に「使えるお金」は少なくなる。
ココで初めて節約に取り組んだ。
時が来て、積立預金は住宅資金と開業資金へと化けた。
それでも、2億円もの借金をすることになるのだが・・・。
開業後は教育費を貯めるため、積み立てを続けた。
子供が産まれたときに学資保険に入っていたが、足りないことは目に見えていた。
それにしても、子育ては金がかかる。
開業時の資金繰りも厳しく、本当に苦しい時期だった。
コレが結果的に良い結果を生む。
ケツに火がついて、本格的に節約に取り組んだのだ。
医者に役立つ節約法は、この時代に見つけることができた。
子供たちは大学へと進み、
積立預金は教育費へと化けた。
おかげで、教育ローンを申し込むことなく、卒業した。
手取りが減って初めて資産管理が始まる
医者は高収入。
「普通の生活」をしていると、何も困らない。
節約のモチベーションが湧かない。
結果、浪費につながる。
給与先取り貯金は、可処分所得を下げるのと同じだ。
使えるマネーを減らすことで、ようやく節約を始めることができる。
節約してみて、自分の思っている以上に金を使っていることが見えるようになるのだ。
目標積立額は?
給与天引きの積み立て貯蓄は、古くからその有効性が知られている。
目標額も先人に聞いてみよう。
「私の財産告白」
→Amazon.co.jp
著者の本多静六は東京帝国大学教授ながら積極的な投資を行い、莫大な財産を築いた。
彼は収入の25%を貯蓄せよと述べている。
「バビロンの大富豪」
→Amazon.co.jp
著者のジョージ・サミュエル・クレイソンは米国の起業家であり、作家だ。
彼は倹約や金銭的成功について、一連の情報パンフレット類を作った。
内容は古代のバビロンを舞台とした寓話で、やがて銀行や保険会社が広めた。
本の中では収入の10%を貯蓄せよ、と書かれてある。
では、医者はどのくらい貯蓄するのが良いか?
医者は50%を目指す
医者の平均給与は1,500万円、手取りは1,000万円前後なので、
毎月80万円程度が可処分所得だ。
10%や25%はラクに出来るだろう。提案は50%だ。
可処分所得は月40万円、年収にすると610万円となる。
日本における年収の中央値が443万円なので、それよりも上だ。
住む場所によるが、十分生活可能な金額だ。
一般的な生活をしながら、年間480万円の貯蓄ができる。
これを結婚費用、住宅ローン頭金、教育費に充当すれば、心理的に相当余裕を持てるだろう。
さらに節約を勧めれば、もっと上を目指せるはずだ。投資資金としても使えるだろう。
まとめ
医者は高収入・高支出。
浪費家が多い。
せっかくの高収入を、資産形成に活かしていない。
強制的に生活費を絞る積立預金は、節約への強力なモチベーションとなる。
火事場の馬鹿力とはよく言ったものだ。
銀行には定期積立のサービスがある。一度設定してしまえば、手間いらずなので、おススメだ。