こんにちは、山のクマです。
最近ネットで、ATM婚というワードが出てきています。
「ATM婚」と蔑まれて「お小遣い2万円倶楽部」入りする残念な男性の結婚事情:文春オンライン
この概念は昔からあり、特に医者の界わいでは良く話題になります。今回はこの題材を取り上げ、分析して対策を考えたいと思います。
ATM婚の定義
まずATM婚ですが、「夫が稼いで専業主婦が浪費する結婚形態」と定義します。こちらの状態ですね。
年収2000万ドクターが小遣い5万のワケ:東洋経済online
理論上は、「妻が稼いで専業主夫が浪費する」こともあって良いのですが、話題には上りません。おそらくこちらの分析が正しいのでしょう。
「高収入女性が、低収入男性を“専業主夫”として養う結婚」が成り立ちにくいのはなぜか?:文春オンライン
ATM婚で困っているのは夫であり、「お小遣い2万円倶楽部」というありがたくない名前もあります。
そのため、夫である男性医師の視点でATM婚を分析します。
なぜATM婚になってしまうのか?
夫婦間の問題のため、要因は3つに分かれます。
1)ATM妻側の要因
2)ATM夫婦間の要因
3)ATM夫側の要因
ATM妻側の要因
考えられる原因を、挙げてみます。
華やかな世界にいた人
他人が稼いだお金を浪費するパターンが身についている女性は、ATM妻になりやすいと考えます。
全てのヒトがそうではないのですが、代表は開業医の娘、資産家の令嬢でしょう。
また、自分で稼いでいるモノの、一部のモデルさんやメディア露出の高いヒトなども、この範疇に入ると思います。
一般的に容姿端麗なヒトが多いため、男性の人気が高い。このようなヒトたちは、自分の魅力を高めるために、お金を必要とします。
ATM妻の娘さん
専業主婦の母親から「ウチの父ちゃんは稼ぎが少なくてダメ、あんたは金持ちと結婚しなさいよ!」と聞かされて育った女性は、その価値観を受け継ぎやすい。
結婚に「賭けている」ヒト
自分ではお金を稼ぐ能力に乏しく、状況打破のため婚活に熱を上げているヒトも、要注意です。
その対策
ATM妻を変えることは「無理」です。なぜなら彼女たちは、困っていないからです。
「お金の話し合いをしたら妻が変わった」事例はあると思います。しかし、ATM妻が困った状況を認識した結果「自分で変わっていった」のです。ATM夫が変えたのではありません。
従って、以下の要因に手を入れることが、現実的な対策となります。
ATM夫婦間の要因
まず男性医師は、妻に専業主婦を求める事が多い。
また医者は長時間労働のため、家にいる時間は少なくなります。
その結果
・妻に家の事を丸投げする
・家庭での存在感がなくなり、妻が夫より強くなる
・妻の不満が溜まって散財する
と言った状況があり得ます。
つまり、医者はATM妻を作りやすいと言えます。
その対策
始めよければ全てよし。新婚時代に出来上がった関係性が長く続きます。
そのため、家における夫の存在感を示す必要があります。
具体的には
・家事の分担をしっかり行う
・子育ても一緒に行う
・妻と普段からしっかり向き合う
などになりますね。
妻に仕事に出てもらうのも手でしょう。
また、結婚生活におけるマネープランを話し合ってみることも、対策になります。
ATM夫側の要因
「え、自分に問題点なんかある??」と感じる人もいるでしょう。しかし、ATM婚は夫婦間の問題です。どちらか一方だけに原因があるわけではありません。
夫にも要因がある事が、実は多いのです。
夫の問題点は?
ほとんどの場合、ATM夫は自分に問題がある事を、気づいていません。もしくは、気づいているふりをしているだけです。このことが最大の問題点です。
そのため妻に全責任を負わせて思考停止に陥り、解決困難となります。
ATM婚で困っているのは夫です。困っている方が対策を練ることが、解決する早道です。
ATM妻の問題点を夫が解決することは出来ませんが、夫自身の問題は、自分で解決できる可能性が高い。
実は夫本人もお金を使っている
医者は医学書、学会費、出張費、部下を飲みに連れて行くなど、確かにお金がかかります。それ、なんとかなりませんか?妻に節約をお願いするにしても、自分が使っていては、反撃されるだけです。
家のことをおろそかにする
確かに医者は忙しいです。しかし家事を丸投げし、妻を遊びに連れて行かなければ、妻のストレスも溜まってきます。出来ることから始めると良いでしょう。
事なかれ主義
コレ、多くの医者が気づいていないと思います。どうしても患者の事で頭がいっぱいになるため「家庭の面倒なことに首を突っ込みたくない」と思っていませんか?
繰り返しますがATM婚の問題は、夫婦の問題です。面倒でも早めに対応しないと、必ず破綻します。
お金のかかる女性と結婚した
まあ、ある程度仕方ないですよね。婚活市場で人気のある女性は容姿端麗なヒトなので、美貌の維持にはお金がかかります。
その対策
結婚前に行えること
・結婚する相手を良く考える
これが最善です。どうしても美人に惹かれますが、その人がどのような金銭感覚を持っているかは、確かめる必要があります。
一つの方法として
「将来独立開業も考えているんだけど、その時に経理や受付をやってもらえるかな?少し貧乏も経験してもらわなければならないけど」
と聞いてみるのも手でしょう。これで渋るようなら、ATM妻になる可能性は高いと思います。
・結婚前に一財産作る
婚姻後に形成した財産は夫婦協同のモノなので、離婚時分割の対象となります。婚姻前の財産は、分割対象になりません。
そのため、結婚前に投資などで財産を貯めておくと、万が一ATM婚に陥ったときにも対応しやすくなります。まあ、なかなか出来ることではありませんけどね。
これを上手に行ったのが、Facebookを作ったマーク・ザッカーバーグです。彼はFacebookの株式公開を行った直後にプロポーズし、翌日に婚姻届を出しました。万が一彼が離婚しても、Facebook株は彼のモノです。
新婚時代
家庭にある程度重心を置くと、良いでしょう。買い物にも一緒に行き、お金の使い方をみて、コメントして見るのも手でしょう。
また、初めに結婚後のマネープランを話し合っておくのも重要です。グランドデザインをひいておくことで、年齢ごとの資産状況と比較して、ムダ遣いをしていないか、貯蓄は上手くいっているか、評価できます。
その後
まず夫自身の問題点が見つかれば、それを修正して妻との関係性を改善できないか、やってみると良いでしょう。
ただ一般に、一旦ATM婚の状態になると「修復する」のは困難です。夫は直したい、妻は直したくない、とお互いの利益がかみ合いません。
またATM妻にとっては「夫が稼いで妻が使うという我が家の常識」以外は「あってはならない」ため、修正しようとすると怒りだしてしまうでしょう。
給与振込口座を変更して、家族カードを使えなくするのも手ですが、おそらくATM妻の猛烈な反撃にあうでしょう。
従って、関係性を「壊す」位の事を考える必要があります。スクラップ・アンド・ビルドです。
その方法の一つは、転職、転居でしょう。
ATM妻は、「ママ友」に代表されるコミュニティーの中で、優位を保っているはずです。ATM婚からの陥落は、妻にとって「顔に泥を塗られた」状態になります。
それを避けるためには、妻のコミュニティーを変えて、その上であらためて夫婦のマネープランについて、第三者を交えて話し合う必要があるでしょう。
こうなれば理想です。
48歳妻の「浪費爆弾で老後崩壊寸前」から一瞬で月6万円の黒字に転じた夫の秘策:PRESIDENT online
夫も無傷ではいられません。しかしこれくらいでないと変わらないし、「離婚を考える」段階よりは、良いと思います。
なお、女子のコミュニティーを知るには、こちらの本が良いでしょう。
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離婚を考えたら
様々な状況から、離婚が頭をよぎることもあるでしょう。
こうなると、後は専門科にゆだねる必要があります。離婚に際しては、解決すべき問題点が、様々出てきます。
このうち、財産分与や婚姻費用については対策があります。詳細はこちらを御覧下さい。
ATM妻の末路
開業医のATM妻だったヒトを知っています。若いときには買い物、旅行、教育費、子供の独立資金などで散財し、夫は妻の浪費に目をつぶっていました。当然貯蓄はほとんどありません。
開業医は息子さんが継いで、地代と役員報酬をもらって老後を過ごしています。
しかしコロナ禍で役員報酬が減り、また夫が認知症となり介護が必要となってきました。ATM妻はどうして良いかわからず、右往左往しています。
結局ATM婚は
「夫のキャッシュフローを利用して妻が自分のモノにする」
という、一種のビジネスモデルとも考える事が出来ます。これは妻が先に亡くならない限り、夫の病気や引退で、必ず破綻します。
それまでの間に、妻が資産を貯める事もあるでしょう。しかし一度身についた浪費癖を直すことは困難で、資産を食いつぶして減って行き、大変なストレスを感じることとなります。
なお、医師が貯められる資産額については、こちらのブログで考察しています。
まれに妻がものすごい資産を作ったケースも出てきますが、このような例はレアでしょう。なぜならATM妻は「夫の収入に頼って」いたため、思考停止になっています。この状態では、資産形成に頭を使うことは困難だからです。
まとめ
以上、ATM婚の分析、対策について述べてきました。ATM婚はお互いに不幸です。しかし夫にはその問題点が見えていても、困っていない妻には見えません。
「なんで被害者の俺が動かなきゃ行けないんだ!」というATM夫の怒りは、ごもっともです。しかし、状況を変えたいのであれば、困っている方が動くしかありません。
誤解のないよう述べますが、多くの医師家庭は夫婦仲が良く、幸せに暮らしています。ごく一部のカップルが、ATM婚になってしまいます。
若い先生方はこうならないよう、十分用心してください。