「来年から新NISAが始まりますけど、何を買ったら良いですかね?」
後輩と飲んでいるときに、質問されました。
ホント、新NISAが盛り上がっています。
今まで投資してこなかったヒトも、前のめりになっています。
後輩に話した内容が初心者の参考になるかもしれないため、紹介します。
ただ、最初に意識しなければならないことがあります。
それは、投資に向いていないヒトもいるのです。
本ブログはあくまで参考としてください。投資は自己責任です。
●投資に向いていないヒト
投資は100%儲かるわけではありません。
次のような方は、投資に向いていないと思います。
主体的に勉強しないヒト
投資環境は常に変化します。
ナゼ株が上がっているのか、下がっているのか。
受け身では誰も教えてくれません。自分で情報を取るしかないのです。
学びがないと、利益を出し続けることは難しい。
金融マーケットを主体的にフォローできるか出来ないかが、投資成功の鍵となります。
退職金デビュー
とてもキケンです。
一度に大量のお金が手に入ると気が大きくなり、「儲かる」と言われる商品に突っ込みがちです。
下手をすると、リタイヤ後の大切な資金が溶けてゆきます。
リタイヤ後に投資を始めることは否定しませんが、小額ずつ、学びながら行うことが必要です。
ただ、年齢を重ねてから新しいことを勉強するのは、結構大変ですよね・・・。
退職金で投資をスタートさせるのは、あまりオススメしません。
余剰資金のないヒト
投資は得するときも、損するときもあります。
生活資金を投じることは、とてもキケンです。
そもそも節約などで資産管理をした経験がないと、投資の管理は難しいでしょう。
間違っても子供の学費を投資で稼ごうとはしない事です。
精神的に不安定なヒト
株価に一喜一憂しやすいと、感情で売買する傾向があります。
割安・割高が分かりません。
目の前の株価が全てになってしまい、欲望で買い、不安で売る。
成功からはほど遠い投資行動になるでしょう。
ゼッタイ損をしたくないヒト
投資にはリスクがあります。リスクがあるから、儲かります。
Dr.Kの本には、僅か1万円損をしただけでマーケットから退場していった内科医が描かれています。
ゼッタイ損をしたくないヒトは、定期預金が良いと思います。
●オススメは買うな
後輩は頭が柔らかく、理性的なヤツです。
まず「証券会社や銀行のオススメには手を出さない方が良い」と話しました。
彼らは手数料収入を目当てに営業しており、高い手数料の商品を売りたい。
もちろん良心的な販売員もいますが、会社全体としては儲けを目指します。
彼らの「オススメ」は「銀行・証券側」へのオススメであり「お客さん側」へのオススメではない場合も。
「ポジショントーク」という概念は覚えておく必要があるでしょう。
投資商品を買うときには、手数料は必ずチェックする必要があります。
●リスクとリターンを押さえろ
投資の世界では、リスクは「損をする」ことではありません。
価格が上下する幅のことを指します。
低リスク商品は、下がりにくく上がりにくい。
高リスク商品は、下がりやすいが上がりやすい。
どちらが良いかは、投資家により異なるため、自分の取れるリスクを把握するコトが大切です。
それでも下振れの危険が少なく、値上がりの幅を取れる商品もあります。
それがインデックスファンドです。
●インデックスファンドのメリット
インデックスファンドとは、日経平均やTOPIX、S&P500などの株式指数に連動した投資信託。
歴史的に、インデックスファンドより良いパフォーマンスを記録したファンドは極めて少ないのです。
理由は、インデックスファンドを買うことで、既に分散投資になっているため。
様々な銘柄を保有する分散投資により、損のリスクを極力低くし、利益をそこそこ取れるため、長期では負けないと言われています。
どれくらいが「分散投資」なのか?
例えば代表的指数であるTOPIXの構成銘柄数は、2,158にものぼります(2023年7月末時点)。
個人投資家がこれだけの銘柄を保有することは、ほぼ不可能でしょう。
またインデックスファンドは手数料が安い点もメリットです。
なお、今流行のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー:略してオルカン)もインデックスファンドの一つですが、ちょっと注意が必要です。
●オルカンの注意点
よくできたファンドですが、構成銘柄のうち米国が実に6割も占めています。
さらに、マグニフィセントセブン(アップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、メタ、テスラ)の構成比率が15-16%。
世界には数多の企業がありますが、たった7社で全体の15%って、すごいです。
つまり、オルカンで全世界に投資しているつもりになっても、実は米国、さらにマグニフィセントセブンに多く投資をしていることになっています。
後輩には「オルカンは世界全体に分散されているとは言いにくい」と話しました。
●いつ買うのか?
ドルコスト平均法が一般的です。
高いときは少なく、安いときは多く買うことで、長い目でみると資産を平均的に増やすことが出来ると言われています。
マーケットは必ず上下するため、理にかなった投資法と言えます。
さらに新NISA枠は1年ごとに決まっているため、ドルコスト平均法で使い切りやすいです。
後輩には「インデックスファンドを毎月ドルコスト平均法で小額ずつ購入し、マーケットの動きを勉強してみては」と話しました。
●ドルコストの注意点
実は、ドルコスト平均法を続けられるヒトは多くありません。
マーケットは暴落することがあります。
リーマンショック、コロナショックが代表です。
この時、目の前で自分の資産価値がドンドン下がり、損に耐えられなくなった多くの人が投げ売りするそうです。
厚切りジェイソンの父親も、リーマンショック時に損切りしています。
暴落時に退場した人の多くは、精神的なダメージを受けてマーケットに戻ってきません。
古くは日本のバブル崩壊時、多くの投資家が株をやめ、その後投資へのアレルギーが広がりました。
新NISAが盛り上がっていますが、10年後も続けている個人投資家が何人いるのか、心配な点もあります。
後輩には「下落しても、とにかくドルコストは続け、売らないこと。売るのはリタイヤ直前か、別の投資をしてみたいと思ったとき」と話しました。
●まとめ
医者は仕事には精を出しますが、投資には勉強時間を割かず、思考停止になるヒトがとても多いです。
学ぶポテンシャルは高いのに、もったいないなーと思います。
新NISAも始まったため、月1~2万程度から始めて、マーケットに慣れることが良いと思います。
投資に興味が湧かなければ、それを続けても良し、やめても良し。
興味が湧いてくれば、様々な投資商品に手を出すのも良し。
ちょっとでも身銭を切ることで、得をしても損をしても、大きな学びが得られます。
インデックスファンドの優位性を示した名著です。
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