こんにちは。山のクマです。
医者は仕事上、多くの本を読みます。
自分の場合、今は医学書よりも一般書を読む機会が多い状態です。月に5~10冊、年間では100冊以上になります。
現代は本が売れません。出版社もどんどんなくなっています。これだけネットが発達してくると、仕方がないのでしょう。
しかしネットの情報は断片的で、それをどのように自分の生活に活かしたら良いのか、わからなくなる時があります。
断片的な情報をつなげるのが、論理的思考です。論理的思考を鍛えるのが、読書です。
今回はどのように本を読んでいるか、あらためて振り返ってみました。
購入時
本はAmazonから多くを購入しています。また一部は近くの本屋です。買う決め手は、なんと言っても題名です。なんとなく面白そうな題名なら、迷わず購入します。
分野は、実用書、哲学書、新書など、さまざまです。最近はあまり読みませんが、小説も良いです。
実店舗の本屋の良い点は、なんと言っても中身を見ることができることです。ぱらぱらとめくってみて、ちょっと面白そうなら購入します。
そのため、かなりの金額を本に費やしています。買った本の中には、失敗だったと思うモノもあります。しかし、思わず引き込まれる本もあり、その時にはものすごくうれしくなります。
本を買うときのポイントは、少しでも気になったら、迷わず買ってしまうこと。一度チャンスを逃すと、また同じ本に出会う確率は極めて低くなります。自分も何回も後悔しました。
読み方
鉛筆を持って、線を引きながら読みます。とにかく、気になったら線を引く。
読むスピードは、早いと思います。細かいことは気にせず、どんどん読み進めます。
1回通して読んだ後、大学ノートに、線を引いたところを書き写します。この時、全部書くことはしません。どこを書き写すかは、カンで選びます。
その後、もう一度読みたいと思った本は、また読み直します。
この方法は、「読書の技法」で知りました。自分の原点です。
読書の技法→Amazon.co.jp
「正しい解釈」はない
実用書なら問題ないのですが、様々な解釈が出来そうな本は、気を付けます。著者が何を伝えたいか、線を引いたところを中心に、その前後の文も読み返しながら、考えます。
この「考える」事が、論理的思考を鍛えることです。
それでも、自分は著者ではないため、確実に正しい解釈には到達できないと割り切っています。「読者には誤読する権利がある」とも言われています。
誤読する権利があると考える事で、
・自分なりの解釈を持つことが出来る
・自分の解釈は正しくないかもしれないという、謙虚な姿勢が生まれる
という利点が出てきます。
とりあえずの解釈を持っていると、他の解釈に触れたとき、自分の考えがアップデートされます。
何もないところからはアップデートできないため、自分のモノを持っておくのは大切です。
また謙虚になることで、アップデートできるのです。自らの意見に固執すると、アップデートできません。
本は自分の生活に活かす
特に哲学書で見られがちなのですが、日常生活から遊離した議論は、それが趣味でない限り、社会人には無意味だと思います。
どのような本でも、生活に活かすことを考えます。そのための解釈であり、誤読です。
たとえば「バビロンの大富豪」では収入の10分の1貯金が載っており、「私の財産告白」では4分の1を貯金するよう書いています。
バビロンの大富豪→Amazon.co.jp
私の財産告白→Amazon.co.jp
貯蓄率を議論しても、意味はありません。
これらの本からは、「収入を得たら支出する前に貯めなさい」というエッセンスをもらい、貯蓄する割合は自分の生活に合わせます。
まとめ
医者が多くの本を読むのは、医学的な知識を得ることと、医学的な考え方=医学的思考を身につけるためです。知識だけあっても医者はつとまりません。
患者さんの自覚症状、診察所見、データという情報をゲットし、医学的思考で情報をつないで、始めて診断・治療に至ります。
日常生活でも、論理的思考があれば、情報量の多い現代でも、必要な情報を選び、つなぎ、生活に活かすことが出来ます。
論理的思考=実用的な知力は、多くの本を読み、考え、生活に活かすことで、身につきます。
実用的な知力がないヒトは、情報の洪水にのまれるでしょう。
時間をかけた読書こそが、ネットの情報を活かす知的体力を作ってくれるのです。