日経平均は史上最高値を超えてきました。
新NISAも始まり、投資熱が高まっています。
SNSでも大手メディアでも、投資を勧める記事に溢れています。
しかし、リーマンショックを経験した身としては、気になります。
巷では「リーマンショックおじさん」と呼ばれそうですが、
本当に今から株を買って良いのでしょうか?
改めて自身の投資戦略を考えてみました。
結論から書くと様子見です。
なおブログを書くに当たって、以下のサイトを大いに参考にしました。
流れが分かるよう、細かい点は簡略化して話を進めます。
投資は自己責任でお願いします
●世界の負債が増えている
経済活動では住宅ローンや融資などの借金(=負債)が必要ですが、ものすごい額になっています。
コレには国債や社債も含みます。
世界GDP合計は93兆ドルなので、その3倍借金していることになります。
年収1,000万円の人が3,000万円借りているような状態。
まあ、住宅ローンを考えると、普通っちゃー普通ですが、
今は大きな問題が。
●金利が上がっている
日本では低金利が続いていますが、米国では急激に上がっています。
2022年3月は短期金利1%未満でしたが、今は4.6%程度。
理由はインフレ。米国の中央銀行、FRBがインフレ対策として政策金利を急ぎ足で上げました。
金利が上がっているだけなら良いのですが、短期金利が4.6%なのに、長期金利は4.3%。
ん?なぜか長期金利の方が低い。
FRBが利上げすると、短期金利は上がります。が、長期は簡単に反応してくれません。
様々な理由付けがされていますが、いずれにせよ短期金利>長期金利となってしまいました。
コレで困るのが銀行です。
●銀行はどうやって儲けているか?
銀行は短期金利を支払って預金を集め、長期金利を取って企業などに貸し出します。
通常は短期金利<長期金利のため、利益が出ます。
ところが短期金利>長期金利ではマイナスになるため、手を変え、品を変え、何とか利益を生み出している状況です。
利益の出ない融資は減らすため、企業と個人は困ってしまいます。
●企業の内情
多くの企業は、短期金利でお金を借りています。
だって短期金利の方が低いんだもん。フツーは。
しかし、今は短期金利が高い!
かといって長期金利も低くはない。
お金がないと回らないため、高い金利でも借り入れます。
借りられれば良い方で、利益が出ていない企業は融資を打ち切られます。
さて、どうなるか?
●今後起きること
企業と個人で、大変なことになります。さらに進むと銀行も。
企業
融資を受けられなくなった会社は資金繰りに窮し、倒産します。
高い金利を払える会社も、経費削減を考え、賃金を減らします。
それでもダメなら、リストラ!
日本と違い、米国は簡単にクビに出来るのです。恐ろしい。
失業者が増えてきます。
個人
失業したり給料が減ると、まず節約します。
しかし、インフレと金利上昇で生活は苦しくなる一方です。
特に住宅ローンを支払っている人は大変。
例えば年収1,000万円の人が3,000万円の住宅ローンを25年で組んで、最初1%、3年後に5%の変動金利では、
月の返済額が11.3万円→16.7万円と5.4万円も上昇します。
手取りは月60万円程度のため、かなりキツいですよね。
さらに奨学金、クレジットカードのリボなども払えなくなってきます。
企業、個人が返済できなくなると、銀行は火の車。
銀行
倒産した会社に貸したお金は帰ってこない。
失業者もローンが支払えない。
特に不動産ローンの返済不能は、やっかいです。
米国では不動産ローンが払えなくなると、借りていた人は物件を銀行に明け渡して借金チャラに出来ます。
つまり、銀行が損をかぶる構造です。
当然経営は悪化します。
銀行の経営が危ないと広まると、人びとは我先にと預金を引き出す、取り付け騒ぎに発展します。
2023年にシグネチャー銀行やシリコンバレー銀行が破綻したのも、取り付け騒ぎが直接の原因でした。
銀行はお金がなくなり、金融危機へと発展します。
●金融危機を経験した投資家は少ない
コロナショックは銀行の破綻が原因ではなかったので、
直近の金融危機は、リーマンショックでした。
もう16年も前です。
この時、多くの投資家がマーケットから去って行きました。
生き残って投資しているのは、ベテランだけです。
今成功している投資家は、リーマン後にはじめた若い人たちでしょう。
彼らはSNSやメディアで買いを煽っていますが、右肩上がりの時代しか知りません。
痛い経験をした生き残りは、既に警告を発しています。
YouTuberの高橋ダンもその一人。彼がウォール街に入ったのは、リーマンショック直前。
リーマンショックの痛手を、最も感じている一人です。
ワタシもリーマンショックおじさん。
とても気になる毎日。
では、もし金融危機になったらどうなるだろう?
●金融危機になったら
ココから先は仮定の話なので、一つの物語として話を進めます。
FRBは金利を一気に下げるでしょう。
しかしリーマンショック、コロナショックとも、利下げでは回復していません。
国債を大量に発行してドルを注入することで、ようやく危機は終息しました。
でも、今回は以前のように利下げ・ドルを増刷できるのでしょうか?
利下げをしたら、インフレ再燃する可能性が大いにあります。
また米国債はコロナ禍で急増し、しかも金利上昇で利払いはうなぎ登りです。
さらに追加発行すれば、GDPで返済できない額にまで借金が膨らんでしまいます。
つまり以前と異なり、次の金融危機・株価暴落にはFRBは対処できない可能性が高い。
その結果、米国株はすごい勢いで暴落し、全世界が金融危機・株価暴落になるでしょう。
まあここまで話を進めてしまうと、推論の確度が落ちてしまいますが・・・。
●ではどうする?
以前のブログでは、インデックスファンドに小額、定期で投資することを書きました。
この場合は継続した方が良いと思います。
株価暴落を肌で感じることが、今後の投資生活にプラスになります。
自分の投資戦略としては、今は買い時ではありません。
今後の下落に備えて、キャッシュを貯めています。
暴落時は株を買う絶好のチャンス。
何を買うのか、現在物色中です。
●まとめ
さまざまな情報を見て現状を分析し、今後の投資戦略をまとめてみました。
やはり、いま新規に投資することはキケンと思います。
最新ニュースで、会社のトップたちが、自社株を売っていました。
彼らは、我々の知らない何かを、知っているのでしょう。
インサイダーの動きは重要です。
暴落を追体験出来る名著。