こんにちは、山のクマです。
最近高齢者が増えたためか、認知症患者さんが増えているんですよ。
で、家族は苦労してますね~。
なぜかというと、全部やろうとしているんですよ。
週間ダイヤモンドのケアマネ座談会で、実情が良く描かれてました。
週刊ダイヤモンド22年4/9・16合併号 [雑誌]
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もうちょっとラクしても良いと思うんですけど・・・。
そんな家族への対応を考えてみました。
介護を抱え込む
「コレもう入所じゃない?」
ケアマネなどから勧められても断ってしまうんです。
医療者は「なぜだろ?」と悩むことに。
自宅介護にこだわる根本の理由は次の2つのようです。
・親戚から家でみるよう圧力がかかる
・家族は家で介護すべきという良心
身内からの圧力
いざ入所させようとしても、親戚から「なぜ家でみないのか?」と圧力がかかる。
特に地方は、そう。
「古き良き」日本の慣習が続いているんです。
でもその慣習は過去のモノ。
高齢者世帯の増加、専業主婦の激減など、自宅介護はすでに今の時代に合わなくなっています。
コレを理解していない人が多い。
さらに問題なのは介護者の意識です。
家での介護は良心?
こう思っている人が多い。特に中年以降。
良心って美化されますが、実は別の側面も。
モームが「月と六ペンス」で喝破しています。
月と六ペンス
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およそ良心というものは、社会が自らを維持する目的で作った規則が守られているかどうかを監視するために、個人の内部に置いている番人である
うーむ、流石はモーム。的を射ています。
良心とは、子供の頃から「しつけ」としてココロの奥底に植え付けられた見張り。
「自分の家族は自分でみるように」
「施設は姥捨て山」
無意識レベルからの声なので逆らうことは困難です。
対応策
難しい問題ですが、どう対処しましょう?
身内からの圧力には?
古い価値観を引きずっている人は「お上」の言うことに従順です。
2000年にスタートした介護保険制度は、
「家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に」作られました。
厚生労働省の資料には次のように書かれています。
かつては、子どもや家族が行うものとされていた親の介護ですが、高齢化が進むにつれ、介護を必要とする高齢者の増加や核家族化の進行、介護による離職が社会問題となりました
口うるさい親戚にはこの資料をみせ、
「クニが、家での介護は時代に合わなくなったから介護保険制度を作った」
と正論で攻めるのがひとつの方法です。
還暦以降の世代は抵抗するでしょうが、
正論を通すことで圧力は大分低く出来るのではないかな。
自分の良心には?
むしろこちらの方が難題。
一度身につけた価値観は、よほどのことがなければ変わりません。
それでもケアマネや医療者が、
「介護のプロに頼むことは悪くないし、入所は姥捨て山ではない、むしろ本人が楽になる」
と繰り返し説明してゆくことが第一歩。
もちろん説明しただけで変わる人は、ほとんどいません。
でも機会を待つんです。
・介護者が疲弊してレスパイト入院をする
・徘徊で行方不明になる
・ぼや騒ぎを起こす
自分の手に負えないと腑に落ちたときに、入所を強く勧めると、納得してくれることが多いようです。
医療者のぼやき
認知症患者の家族をみていると、本当にこちらが悩むことが多いんです。
・認知症を「治そうとする」
・介護のプロを入れない
・先のことを全く考えない
説明しても分かってくれないんですよね。
まあ、仕方ないです。コレが人間ですから。
とりあえずこまめに説明しながら、外来に通ってもらうしかないかな、と思っています。
そして介護する人が変わろうとした時に、良い方向に後押しする。
コレが外来で出来ると最高ですよね。
文献を山のクマおすすめに挙げておきます。