こんにちは、山のクマです。
2022年2月現在、コロナ第6波の真っ最中です。
外来にも発熱患者さんが押し寄せ、一般診療が手薄になりがちです。
一人コロナ患者が出ると、手続きがむちゃくちゃ大変なんですよ・・・。
このような状況で、自分はどのように行動すべきか?
大きな方向性が必要だと感じました。
ヒントは古典「ペスト」と客観的なデータにありました。
結論は「もう通常診療に軸足を置くべき時がきた」。
こう考えるようになった理由を、今回のブログでメモとして残しました。
保健所に聞いたのですが・・・
あることで保健所の指示を仰ごうと電話したんですが、
きちんとした答えが帰ってこなかったのです。
しかも話の途中で相手が逆切れ気味に!
何とか話を終わらせて電話を切ったんですけど、
「保健所疲れきっている」。
政府が場当たり的に対応しているため、
現場は疲弊しています。
先日厚生労働省から「働き方改革」について
「相談窓口開設のお知らせ」が来ていましたが、
まず足元の保健所からじゃないですか?
政治家に期待できるか?
まず無理です。
この本を読んでいて腑に落ちたんですね。
無敵の読解力
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政治家の愛読書に哲学書、文芸書が出てこないんですよ。
これでは、今のような答えのない中を進む時に必要な、
「地頭」を鍛えていないことがわかるんです。
コロナ禍の2人の首相の愛読書は・・・
安倍晋三:百田尚樹「日本国紀」
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菅義偉:マキアヴェリ「君主論」
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うーむ・・・。
ちなみに君主論には学ぶべき点も結構あると思うのですが、これを堂々と「愛読書です!」と公表するあたりのセンスは疑問です。
ちなみに今の岸田文雄首相はドストエフスキー「罪と罰」
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愛読書からは少し期待できそうですが・・・。お手並み拝見。
自分で考えるしかない
政府、保健所が頼りにならない今、臨床最前線の我々開業医は、どう行動したらよいのでしょう?
古典をひも解くしかありません。
ペスト
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コロナ禍の初期、アマゾンでベストセラーになっていました。
流石に古典だけあって、様々な読み方が出来ます。
臨床医としてこの本から学んだことは3つ。
1)政府は無策
2)パンデミックでヒトは理性的に動かない
3)冷静に現実と向き合うことで生き延びることができる
1)については既に述べた通りです。
ペストの中でもロックダウンしただけ。あとは終息を待つだけ。
現場丸投げもいいところ。
今と全く変わりません。
2)についてはイヤというほど見ています。
無症状なのに抗原定性検査を繰り返し求めてくるヒト
不安におびえて通院を中断するヒト
流行地域から来た無症状者をコロナ扱いするヒト
不安を煽るだけのメディア
ペストの時代である1940年代は、
患者の隔離、死体の処理方法、データ収集法など
既に公衆衛生学的な知識は普及していました。
それでも、不安や恐怖に駆られて行動する人たちの姿が描かれています。
今と全く同じ。
人間の本質は変わらないんですね。
3)については、「夜と霧」でも同様に描かれています。
先が見通せない不安な中で、
客観的データや客観的事実に目を向けることで、
周りの情動的な行動から一歩引く事が出来ます。
コレが生き延びるコツです。
今必要なことは?
2022年2月時点で医療に必要なのは「ポストコロナ」。
客観的にデータを見ましょう。
オミクロン株に移行して重症化率・死亡率は減っています。
2月9日のECMO実施数は約20台。
デルタ株の時には120台を越えていましたから、6分の1です。
死亡者数は増えていますが、感染者数が多いコトが理由。
ファイザーのニルマトレルビル/リトナビルと塩野義製薬のS-217622の内服薬も出てくるため、
状況は落ち着いてくる可能性が高いと思っています。
一方、コロナ禍で隠れた問題があります。
検診控え、受診控えのため、コロナ禍で癌患者数が減ったことです。
今後数年、癌患者と癌死亡の増加が懸念されます。
現在COVID-19診療に取り組んでいる施設はもちろん大変です。
しかし一般開業医はコロナ後を見据えてなるべく早く通常の診療に戻り、
ガンや脳卒中、心臓病など、
防ぐことが出来る病気に対峙すべき時期が来たと考えます。
まとめ
尾身会長は「(オミクロン株は)ピークアウト後、高止まりの可能性もある」と話していますが、政府分科会会長の立場として話しているだけです。
歴史をみると、パンデミックは弱毒株に置き換わって収まっています。
オミクロン株でCOVID-19は終息するのでは、と考えているドクターも一定数います。
こればかりは「神のみぞ知る」ですが・・・。
今必要なことは、メディアや世論・政府の非論理的な反応をスルーして、
なるべく早く通常の診療に戻るコトだと考えます。