最近のインフレは、医師の生活にも大きな影響を与えています。
かつては高級車やブランド品を気軽に買えたドクターも、今では財布のひもを固くせざるを得ない状況ではないでしょうか。
しかしインフレを逆手に取り、資産価値の高い商品を「投資対象」として購入する医師も増えています。
その代表がロレックスです。
ロレックスは海外との価格差を是正するために、数年来、年10%以上の値上げを続けています。
腕時計としての価値だけでなく、価格の上昇を見込んだ資産としての側面が強まっているのです。
以前のブログでは、医師に最適な腕時計は「クォーツの3針」であり、高級時計は不要と述べました。

しかし、今のインフレ環境を考慮すると、ロレックスはもはや「浪費」ではなく「投資」として考える余地があるのかもしれません。
果たして、医師にとってロレックスは本当に投資対象となり得るのでしょうか?
今回は、実体験をもとにその可能性を探ってみます。
なぜロレックスは人気なのか?
ロレックスは常に品薄で、「欲しくても買えない腕時計」として有名です。
人気が高いのは「多くの人が欲しがるから」という単純な理由もありますが、それだけではありません。
実際に私も、2億円の借金を完済した後にロレックスを購入しましたが、その使い心地の良さに驚きました。
非常に実用的で、人気が出ない方がおかしいと感じたほどです。
まずは実体験をもとに、ロレックスの実用性の高さを説明していきます。
とあるドクターの腕時計遍歴
医師になって10年目くらいの頃、25万円の薄型ドレスウォッチを購入しました。
しかし、実際に使ってみると、MRI室に入っていないのに磁気を帯びたり、心肺蘇生時の胸骨圧迫の衝撃で止まってしまうことがありました。
医師の仕事には向いていなかったのです。
そこで、より頑丈なスポーツタイプの腕時計としてブライトリングを購入し、その次にオフィチーネ・パネライを使用していました。
これらは丈夫で、胸骨圧迫にも耐えました(※メーカーは推奨していません)。
しかし、腕時計自体が重く、ローターの回転音が大きいことに加え、3~4年ごとのメンテナンス費用が負担になっていました。
その後、開業して資金繰りが厳しい時期はクォーツ時計を使用していました。
2億円の借金を完済した後、ロレックスを購入して今も使っています。
では、ロレックスと他の腕時計は何が違うのでしょうか?

医師にぴったりなロレックス
最初に私が使用したロレックスは、オイスターパーペチュアル34(Ref:114200)です。
この腕時計を手にしたとき、過去に使ってきた時計とは明らかに違うと感じたポイントが3つありました。
1. ローター音が全くしない
→ 両方向回転式ローターを採用しており、巻き上げ効率が高く静か。
2. オーバーホールの推奨期間が10年以内と長い
→ キャリバーの堅牢性と高い防水性がメンテナンス頻度を減らしている。
3. 皮膚なじみが良い
→ 904L系ステンレス(ロレックス独自のオイスタースチール)を使用し、アレルギー耐性や耐食性が高い。
さらに、重すぎず、耐磁性能が高く、100m防水のため、診療中の手洗い時にも外す必要がありません。
心肺蘇生時の胸骨圧迫にも耐える(※メーカーは推奨していません)など、医師が仕事中に使うには申し分ない性能です。
実際に使ってみると、あまりにも気に入ってしまい、その後エクスプローラー36(Ref: 124270)とデイトジャスト36(Ref: 126200)も購入しました。
ロレックスは単なるステータスシンボルではなく、過酷な医師の仕事にも耐える、高い実用性を備えた機械式腕時計なのです。
これこそが、多くの人を惹きつけるロレックスの本当の人気の理由ではないでしょうか。
では、ロレックスは医師にとって、本当に投資対象になるのか?
次に検証してみます。

ロレックス投資の現状
本当にロレックスは投資商品として優れているのでしょうか?
まずは所有している3本のロレックスについて、現在の買取価格を確認してみました。(※価格はブログ執筆時点のもので、日々変動しています。)
1. オイスターパーペチュアル34(Ref:114200)
→ 購入価格:約52万円
→ 現在の買取価格:約50万円
→ ほとんど値が落ちていない
2. エクスプローラー36(Ref:124270)
→ 購入価格:約86万円
→ 現在の買取価格:約122万円
→ むしろ値上がりしている
3. デイトジャスト36(Ref:126200)
→ 購入価格:約113万円
→ 現在の買取価格:約115万円
→ 価格を維持している

このように、購入後に価格が下がりにくい、もしくはむしろ上昇している点を見ると、ロレックスは資産価値を維持しやすい腕時計であることが分かります。
では、本当に投資対象として成り立つのか?
さらに詳しく考察していきます。
ロレックスの資産としての特徴
資産クラスとしてロレックスを考えると、以下のような特徴が見えてきます。
1. 商品による資産性の違い
モデルによって買取価格のバラツキが大きいため、好みで選んだ時計が思わぬ値下がりをする可能性があります。
人気モデルは価格が維持されやすい一方、特定のモデルは市場価値が低下することもあります。
2. 景気動向に大きく左右される
ロレックスの再販価格は景気に大きく影響されます。
好景気のときは価格が上昇し、不景気になると大きく値下がりします。
実際、リーマン・ショック後には中古市場の価格が総崩れした過去があります。
3. 個体差が大きくなる
クローゼットにしまってあった未使用品と、日常的に使い込んで傷がついたものでは、買取価格に大きな差が出ます。
腕時計の状態が価値を左右するため、保管や使用方法にも注意が必要です。
4. 時代による資産性の差
かつてバブル景気直後には、ロレックスは「成金の腕時計」として市場価値が低下しました。
しかし、その後、木村拓哉がトレンディドラマで着用したことをきっかけに「おしゃれな腕時計」としての評価が上がり、買取価格も上昇しました。
時代の流れによって価値が変動する点も見逃せません。
5. 盗難のリスクがある
不動産や株と違い、ロレックスは持ち運びできる資産であるため、盗難リスクがつきまといます。
高額なモデルほど狙われやすく、海外だけでなく国内でもロレックス強奪事件も報告されています。
資産として保有する場合は、保管方法にも気を配る必要があります。

このように、ロレックスには資産性があるものの、リスクや市場の影響を受けやすいという特徴があります。
では、医師にとって本当に「投資」として適しているのでしょうか?
次に、その点を検証してみます。
ロレックス投資はヒトを選ぶ
ロレックスは投資対象としての魅力がある一方で、非常にボラティリティ(価格変動)が大きい資産でもあります。
買取価格は景気に大きく左右され、過去にはリーマン・ショックの影響で市場価格が大きく崩れたこともありました。
今後も不況や金融危機が起これば、同様に価格が急落する可能性は十分にあります。
さらに、モデルごとに価値の保存性が異なるため、すべてのロレックスが必ず資産価値を維持するわけではありません。
そのため、ロレックスは投資対象になり得るものの、誰にでも適しているわけではないのです。
・ロレックス投資に適した人
ロレックスが好きな人 → 投資としての側面だけでなく、腕時計そのものを楽しめる人
価格の上下動が気にならない人 → 一時的な値下がりがあっても気にせず持ち続けられる人
他にも金融資産があり、余裕をもってロレックス投資を楽しめる人 → 資産の一部としてロレックスを持てる人
・ロレックス投資に適さない人
ロレックスが好きでない人 → 資産価値があっても興味がなければ楽しめない
価格の上下動が気になる人 → 市場の変動に一喜一憂してしまう人
*投資初心者 → まずは節約や貯蓄で投資資金を作ることが優先

ロレックス投資は「好きだから持つ」という視点がないと、単なるリスク資産になりかねません。
腕時計そのものを楽しめるかどうかが、大きなポイントになりそうです。
まとめ
ロレックスは長期的に見れば、インフレの進行によって市場価値が上昇する可能性が高い腕時計です。
セカンダリーマーケット(中古市場)が整っており、現金化しやすい資産であることも大きな魅力です。
加えて、ロレックスは非常に丈夫で、50年以上前のモデルでも値段がつくほどの耐久性を誇ります。
医師の仕事においても、頑丈で耐磁性があり、手洗い時に外す必要がないという点で、実用性の高い腕時計と言えます。
そのため、「嗜好性実用品」として楽しみながら、手放す際にもある程度の価格が担保されるロレックスは、医師にとって資産となり得る存在です。

しかし、注意点があります。
資産形成の初期段階では節約をして投資資金(種銭)を作り、株式や不動産といった伝統的な投資手法を考える事が最優先です。
そのため、「投資」としてロレックスを購入するのは避けたほうがよいでしょう。

一方で資産形成が進み、「お金がお金を生む」フェーズに入った医師であれば、ロレックスのように価格変動の大きな資産を持っていても、気にならなくなります。
医師として働きながら資産形成を進める上で、「投資」は避けて通れないテーマです。
結論として、投資で資産を大きく増やせる段階に入ったドクターなら、ロレックス投資もアリ、と言えそうです。

1970~80年代のインフレを知るベテランからの警告。