こんにちは。山のクマです。
今日もゴールドです。
金の話をすると、決まって聞かれる事があります。
「金は今、高いですよね!いつ買ったら良いですか?」
はい、私も是非それを知りたい!(笑)
まあ正しい答えは誰も知らないので、自分で考えるしかないです。
実際の金価格をチャートでみてみます。
二峰性になっていますが、全体として右肩上がりです。
ここ5年は消費税込みで
2015年は4,700円~5,300円
2020年は6,000円~7,700円
と1.6倍になっています。
いやー、高いなー。
嘆いていてもしょうがないので、今回は
1)なぜ金の値段が上がっているのか?
2)いつが買い時なのか?(すぐ知りたいヒトはこちら↓)
という点について考えます。
個人的な見解は次の通りです。
1)中央銀行の金融緩和でマネーが金融資産に向かったから
2)ドルが上がったとき、金融危機直後
日米欧の金融緩和
ベースマネー(マネタリーベース)で見ていきます。数値は概算です。
米国の中央銀行であるFRBは、2008年のリーマンショック後大量のドルを発行しました。
2005年:7,700億ドル
2021年:5兆3,000ドル(6.9倍)
欧州中央銀行のECBは、2009年のギリシャ危機以降大量のユーロを発行しました。
2005年:6,300億ユーロ
2021年:5兆1,000億ユーロ(8.1倍)
日本では2013年からアベノミクスにより、日銀が大量の円を発行しました。
2005年:110兆円
2021年:610兆円(5.5倍)
2020年からはコロナ禍の補助金で、各国ともさらに増えました。
GDP世界第三位である日本が550兆円(5兆ドル)ですから、いかにマネーが増発されているかわかります。
お金は増えたが物価は上がらなかった
お金が増えるとインフレが意識されます。
しかし欧州と米国はマイルドなインフレのみでした。
日本に至ってはほとんど上がっていません。
結局インフレって、「お金の量が増えること」プラス「物資の不足」が原因なんですよね。
典型例は2020年4月からのマスク値段の高騰でした。
歴史的には戦争でも、工場の破壊で物資が不足し、戦費調達による通貨乱発と合わせて、インフレになりました。
現代は生活用品の生産能力が十分整っているため、通貨発行額が多くてもインフレにはなりにくい。
でも、マネーは他のところへ行きます。
余ったお金は不動産、株やゴールドへ!
大量に発行された通貨は、まず不動産に流れました。
米国のチャートでは20年で見るとよくわかります。
そして金融商品です。
リーマンショックから回復した株式市場は上昇を続けています。
ゴールドの価格は二峰性です。
リーマンショック直後は安全資産である金に資金が逃避したのですが、マーケットの安定とともに株式市場に向かいました。
でも2020年からのコロナショックによる資金供給で、また金は上昇しています。
資産インフレです。
いやー、あらためて見るとすごいですねー。
金をいつ買うか?
タイミングは2つです。
ドルインデックスが上がった時
金はドルの反対通貨と認識されています。
でもドル/円やユーロ/ドルの様な単一通貨の比較では、ドルの高低がわかりません。
そこで登場するのがドルインデックスです。
分子にドルを、分母に加重平均した以下の通貨を置きます。
ユーロ(57.6%)
日本円(13.6%)
スターリング・ポンド(11.9%)
カナダドル(9.1%)
スウェーデン・クローナ(4.2%)
スイス・フラン(3.6%)
世界の通貨に比べてドルは安いのか、高いのか。
これがドルインデックスです。
ドルインデックスとゴールドを比較したチャートがこちらです。
チャートだけではわかりにくいので、相関係数も提示しました。
ドルインデックスと金価格(ドル建て)の相関係数はマイナス0.6~0.8になることが多い。
つまり反対に動くわけです。
チャートを見て、ドルインデックスが高くなったら買いのタイミングでしょう。
相場暴落時
こちらの方が底値を拾えるかもしれません。
2020年3月のコロナショックでは一時的に下がりました。
リーマンショックの時も同様でした。
株価暴落では現金に換えやすいゴールドも売られます。
でも短期間だし、思ったほど下がっていないですね。
何故なら新興国など、安くなったら金を買いたい人々が群がるからです。
日本にいるとピンときませんが、金は世界の人が欲しがっている金融商品です。
長期的に金は下がるか?
今後大量発行された通貨が回収されると、金価格は下がるでしょう。
ただ通貨回収は可能なのか?
リーマンショック後、FRBはガンバってドルを回収しようとしました。
しかし十分回収できないまま、コロナ禍へ突入してしまいました。
以下の話は専門的になります。
今の時代、金融機関は低金利のお金を借りて投資しています。
レバレッジを掛けているわけです。
通貨を回収する時は中央銀行が手持ちの国債などを売るのですが、その結果金利が上昇します。
この時は借り入れ金利も上がるため、金融機関は投資を控え、場合によっては株などを売却します。
そうなると株価は下落し、また金融危機。
再度の大量通貨発行を余儀なくされる可能性が高い。
つまり、マネーは回収できず、金は安くならないんじゃないかなーと思っています。
7月14日、カナダの中央銀行は債券購入額を減らすことを発表しました。
これは通貨回収の第一歩です。
さて、通貨回収は可能なのか?
じっくり見ていく必要がありますね。
日本以外でインフレが進んでいる
すでにワクチン接種が行き渡ってきた国々では、経済が動き出しています。
米国、欧州では消費者物価指数が上昇してきました。
理由の一つに物流の悪化があります。
モノを作りたいのに、コロナ禍で材料が調達できない。
マネーが余っていて欲しいものが少ないと、やはり価格は上昇してしまいますね。
一方、日本は物価が下がっています。
おいおい、またデフレかよ・・・。
しかし!
木材価格が急騰するウッドショックによって、住宅価格が上昇してきています。
そして紙おむつも高くなっている!
なんか、本格的にインフレの足音が聞こえてきました。
ゴールドはインフレに強いですよ。
まとめ
今、ゴールドは確かに高い。
安く買いたいのは山々ですが、昔の値段を見ていてはダメなのかもしれません。
ゴールドは”Buy and Forget”ともいわれています。
ドル・コスト方式で毎月ちょこちょこ買い、価格のことは忘れる。
気が付いたら上昇している。
結局これがベストの金投資法のような気がします。