診療所経営

【クリニック経営】スタッフ問題の原因・予防策は3つ!

【クリニック経営】スタッフ問題の原因・予防策は3つ!
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「ウチのスタッフは質が悪い!」

先輩が飲み会で放った一言。

決してウチのクリニックではない。

そんなことを口にしたら火の車。

口は災いの元。その後炎上した。

「困った・・・給料を上げてくれなければ辞めるって・・・」

クリニックのスタッフ問題

「クリニック スタッフ」とググると、教育方法、採用方法、離職防止などの具体策が並んでいる。

開業すると、スタッフ問題で間違いなく悩まされる。

上手くいっていると思っても、

気がつくと大量退職に見舞われ、右往左往する。

良く聞く話だ。

こうなると、打つ手は限られる。

スタッフ問題は、勃発する前に手を打たねばならない。

しかし具体的な内容は、どうしても近視眼的になる。

近眼の予防は、たまに遠くを見ることだ。

ということで、遠くから俯瞰的に問題の根本を考える。

根っこは・・・

こちらのブログに言いたいことが書いてあった。

同じ事を買いても仕方ないので、コレで終わ

ちょっと待て。

クリニック特有の構図がある。

「経営者が医者」「従業員がコメディカル」

同じ業界だが、文化が違う、住む世界が違う。

別人種、異世人かもしれない。

コレを心底理解しているドクターに、お目にかかったことがない。

現代の医者は、コメディカルは仲間と信じ切っている。

そう、勤務医の時は・・・。

院長もかつては従業員

ほとんどの医者が、勤務医から開業する。

大病院では医療スタッフと同じ「従業員」。

仲間だ。

開業を成功させるため、同志をクリニックにリクルートすることすらある。

しかし落とし穴が待っている。

落とし穴へのハマり方は、出川哲朗が上手い。

見事な落ちっぷりに、毎回感心する。

彼は老舗海苔問屋の若旦那。

労使関係への理解においては、人後に落ちないだろう。

クリニック開業では、二代目以外、無様に落ちる。

開業した途端、雇用者と被雇用者の関係になるのだ。

「経営者の医者」と「従業員のコメディカル」

同じようでいて、ものすごく違う。

違いが分かる男、ダバダ~。

分かるのはナウいヤングだけ。

ネスカフェ・ゴールドブレンドの旨さを知っているか。

そのままお湯を注いではいけない。

最初にごく少量の水で溶かし、

良く練った後にお湯を入れる。

コレであなたも一流のバリスタ。

知らないと、苦い経験となる。

そう、スタッフ問題のように。

3つの原因

問題の根本は次の3つだ。

1:院長は全責任を負う

院長は借金をする。

返すために経営を安定させねばならない。

雇用も守らねばならない。

院長が責任を持つのは「自分の家族」と「従業員」。

従業員が責任を持つのは「自分の家族」。

院長が重荷を背負っているだけなのだ。

「今は経営が苦しいが、スタッフ一同ガンバろう」

院長だけが、こう思う。

院長は苦しくても辞めることは出来ない。

従業員は給与が安ければ他に移る。

当たり前だ、「家族への責任」がある。

そんな従業員を見て、幻滅する。

挙げ句の果てには「ウチのスタッフは質が悪い」と、のたまう。

あたかも自分が正常なように。

2:医者は勉強する

医者はとにかく勉強する。

勉強しなければそもそも医者になれない。

医学部は平均偏差値65、上位6.6%だ。

医者になってからも、勉強しないと仕事にならない。

スタッフはここまで勉強しない。

しかし院長はわからず、

挙げ句の果てには「ウチのスタッフは質が悪い」と、のたまう。

あたかも自分が正常なように。

3:医者は論理に強い

診断・治療にはロジックが欠かせない。

しかしスタッフは論理に強くない。

突然、明後日の方角から答えが飛んでくる。

「なぜそう考える??」

院長はスタッフの思考回路が分からず、うろたえる。

挙げ句の果てには「ウチのスタッフは質が悪い」と、のたまう。

あたかも自分が正常なように。

医者が異常なのだ

全責任を負い、知識が豊富で、論理的な上位6.6%。

よく言えば超人。

超人と言えばニーチェ。

読んだが、よくわからなかった。天才なのだろう。




ツァラトゥストラかく語りき
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ニーチェは精神に異常を来した。

頭が良すぎると、周りから逸脱する。

正規分布2SDの外は、5%。

上位6.6%の医者も、逸脱した、しかし生活可能な異常者だ。

スタッフは、

全責任を負わない、知識は普通、論理にも強くない。

ごく普通のヒトたちだ。

この実態を院長は分からない。

分からないから「ウチのスタッフは質が悪い」と、のたまう。

あたかも自分が正常なように。

さらに経営者と従業員の溝を広げるのが、金の流れだ

マネーの問題

院長は給与を払い、スタッフは給与を受け取る。

医者の懐は寂しくなり、スタッフは暖かかくなる。

金を払う院長は、スタッフは働いて当たり前。

従業員は給与をもらうのは当たり前。

思考回路が違う。

文化が違う。

そこには「万里の長城」クラスのがある。

村上春樹の描く壁は奥が深い。面白かった。




街とその不確かな壁
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思い描く情景はヒトそれぞれだが、いずれにせよ、壁を越えるのは至難の業だ

思考回路が違う、文化が違う。

そして、クリニック全責任問題に回帰してゆく。あ~あ。

3つの対策

3つの違いを踏まえ、重症化予防策を提示する。

1:充分な給与と福利厚生

スタッフは家族に責任がある。

責任とは、お金だ。

クリニックへの忠誠で働いているわけではない。

忠誠はお金に付いてくる。

福利厚生とは、医療保険、年金、退職金、有給休暇、育休・産休。

保険・年金・退職金はもちろん、休暇もお金なのだ。

Time is Money

充分な給与と福利厚生で、良い人材がやってくる。

社会福祉労務士のアドバイスに従って条件を整え、新人を募集した。

最高のスタッフを雇うことが出来た。

良い人材は良い環境を生む。

スタッフ問題予防の第一歩だ。

2:明確な指示を出す

医学的知識は明らかに院長が上。

医者同士なら分かる指示でも、スタッフには通じない。

院長の思い通りには動かない。

大事なのはスタッフ教育だが、要点は一つだけ。

「具体的な指示を出し、適切に行動したか評価する」

On the Job Traning。

この本に学んだ。




リーダーの仮面
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3:指令系統を整える

スタッフは論理に強くない。

院長からのトップダウンが必須。

ただし、任せられるところは託す。

ある院長は細かい買い物にまで口を出し、

スタッフから総スカンを食った。

どの洗剤を選ぼうと、診療には関係ない。

そういえばママレモンを最近見ない。

ママレモンにはレモンが入っていないと知った時は驚いたが、診療には関係ない。

指令系統を論ずるとき、この本が引き合いに出される。




君主論
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「愛読書です」と口外することはためらわれるが、

菅元首相も愛読していた。

自分で読んで評価して欲しい。

一つ言えるのは「リーダーの仮面」でもふれているが、

院長とスタッフは距離を置く必要がある。

スタッフ問題の一つに「ケンカ」がある。

揉めるのは、共通の敵がいないからだ。

院長が従業員と距離を置き、トップダウンで、時に「理不尽」と思える指示を出すことで、

従業員は院長のグチを言い合える。

コレがスタッフの結束を高め、仲間割れはなくなる。

実は「理不尽」と思っているのは従業員だけで、理由はあるのだが、理解してくれない。

トホホ・・・。

まとめ

ダイバーシティーが最近のトレンドだが、

昔から労使関係は異文化交流だ。

スタッフは院長の思考回路が分からない。

院長はスタッフの考えが見えない。

どちらが歩み寄るべきか。

決まっている。医者だ。

難しい事はない。スタッフの言動を注意深く観察すれば、

重症化予防は可能だ。

冒頭の先輩は、スタッフが

「せんせ~、給料上げてくださいよ~」

と言っていたことを、軽く受け止めていた。まるで「わたあめ」のように。

なめてはいけない。原材料は砂糖だ、カロリーは高い。

なめ続けると、大変なことになる。

辞められては、クリニックが回らない。

彼は要求をのんだ。

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