「あれ?」
先日、旅館を予約しようと思ってネットを見ていたところ、驚いた。
人気の旅館なのにガラガラだ・・・。
ちょっと前は数ヶ月先の予約も埋まっていたのに。
何か変だ。
●高級宿が空いている
その旅館は高級旅館として知られている。
食事に地元の食材をふんだんに使い、美味しいと評判だ。
地元よりも首都圏からのお客さんが多く、料金も高い。
普段は使わないが、GoToで安かったときに泊まった。とても良かった。
コロナ後は予約困難な旅館になっていた。
記念日だったので、先日久しぶりに予約したが、カンタンに取れてしまった。
それはそれで嬉しいことだが、何か変だ。
他の人気高級宿を調べてみたが、多くが空いている。
消費者のマインドに変化が生じているようだ。
●ロレックス指数も下がっている
気になって、久しぶりに高級腕時計のチャートを見た。
日本だけの現象なのか、世界的な傾向なのか?
世界的に贅沢品が売れなくなってきている。
景気が悪くなるときには、まず高級品から売れなくなる。
不況は株価にも影響するため、ネットサーフィン(死語?)をしてみた。
●日本の景気は悪くなってきている
内訳のウチ個人消費は、インフレの影響を除くとマイナス0.9%。
個人消費はGDPの5-6割を占めるので、0.9%の低下でもデカい。
国民が消費を控えているのは、家計が苦しいから。
賃金上昇が物価上昇に追いつかず、「実質賃金」が低下している。
給料が1万円上がっても、インフレで生活費が1万1千円上がれば、生活は苦しくなる。
その影響か節約志向が広がり、スーパーやファミレスでは値下げの動きも出てきている。
景気の下降局面に入っているようだ。
●欧米にも不況の波
米国はどうだろう?
先日のブラックフライデーは、一部のネット通販は好調だったが、一般小売りは減少に見舞われた。
もう一つ心配な点がある。失業者の増加だ。
好調だった米国経済にブレーキがかかってきている。
どうもG7は今ひとつ。
ではBRICSの雄、中国はどうだろう?
●さらに中国も
恒大集団、カントリーガーデンをはじめとする不動産危機で、ついに人民銀行が景気刺激策を打ち出した。
さらに巨大シャドーバンキンググループが経営危機に陥っている。
シャドーバンクは「理財商品」という高金利の金融商品を販売し、潤っていた。
日本で言うと、証券会社がファンドを売るようなモノ。
ところが運用が上手く行かず、支払いが不能な状態に。
こうなると金融危機。中国版リーマンショックへと向かう可能性が高い。
「中国が金融危機になっても、国内だけの問題でしょ」
そうかもしれない。しかし、気になるニュースもある。
●世界的な金融危機???
中国のドル建て債券の7割が、既にデフォルト(=支払えません)の状態という。
デフォルト推定額は、1245億ドル。
世界最大の投資ファンド、ブラックロックの総資産が1176億ドルなので、その大きさがわかる。
ドル建てってことは、海外の投資家が買っている。
これだけの額が支払われなかったら、さぞかし大変だろう。
欧米の厄介なところは、投資会社は借金して投資している点だ。
つまりレバレッジをかけている。
数年前に破綻したアルケゴスのように。
投資会社がつぶれたら、金を貸している銀行も不良債権を抱える。
銀行の経営危機がうわさされると、あっという間に取り付け騒ぎだ。
今年3月のシリコンバレー銀行のように、ネット時代はあっという間に銀行がつぶれてしまう。
下手をすれば中国発の世界金融危機。
そうなったら、投資家たちはドルを求めて株、債権、金融商品を投げ売りする。
マーケット暴落だ。
●まとめ:Cash is King
以上の分析は、当たるかどうか分からない。
都合の良い記事だけピックアップして、物語を組み立てていると言われれば、それまでだ。
しかし、2008年のリーマンショックを経験した身としては、今の状況に不安を覚える。
不況を示す事実がそろっているにもかかわらず、株価は下がっていない。
「これから本格的なマーケット崩壊が来る」
そう感じられずにはいられないのだ。
「リーマンショックおじさん」と呼ばれようと、強い衝撃に備えることは、自分の資産を失わないための鉄則だ。
リーマン・ショック・コンフィデンシャル上→Amazon.co.jp
今の戦略は、これまで以上に節約し、現金を多く保有する。
ドルやユーロではなく、円で。
暴落が起きなければ、そのまま貯金となる。
下落したら、買いに走る。
どちらに転んでもOKだ。
金融崩壊を予言する大胆な書。