先日、イヤな新聞記事を見た。
とうとう来たか。
日本は世界に冠たる借金大国。返済のためには支出削減がマスト。
医療費もターゲットになっている。
今までは薬価を下げていた。が、クスリ不足を招いており、もう限界だ。
とうとう医者の手技料にまで手を伸ばしてきた。
提言はクリニックが対象だが、勤務医も、うかうかしていられない。
インフレが財布を蝕んでいる。
![【医者は金持ち?】インフレで貧乏に!](https://med-fp.com/wp-content/uploads/2022/12/inflation-makes-doctors-poor-320x180.jpg)
医者の購買力は下がる
ドクターが高給取りなのは相変わらずだが、
「購買力」に目を向けると確実に低下している。
インフレの進行が医者のフトコロを蝕んでいる。
しかも「働き方改革」で労働時間は頭打ち、残業代が減るコトになるだろう。
さらに診療報酬費減額の提案で、クリニックも安泰ではなくなった。
自由診療中心の所は別だが、開業医は儲からない時代へと突入した。
開業医も勤務医も、節約と資産防衛が急務だ。
![【医師たちへ送る】我々の87%はナゼ富裕層になれないのか?](https://med-fp.com/wp-content/uploads/2023/06/why-can-not-many-doctors-become-rich-320x180.jpg)
まずは節約
「節約」は、言うは易し、行うは難し。
生活レベルを下げるのは痛みを伴う。
やってみると分かるが、本当に頭や胸が痛くなるのだ。
倹約は少しずつ、少しずつ進め、年単位・月単位で慣れてゆく必要がある。
具体的な方法を挙げる。
生活費の把握
ほとんどのヒトは、自分がいくら支払っているか分かっていない。
節約生活の最初に取り組むことで、その後が楽になる。
昔は大変だったが、ここ数年カンタンな家計簿アプリが登場している。
銀行、クレカなどと紐付けでき、支出項目ごとに仕分けることで生活費を簡単に把握できる。
やってみると使途不明金に気付く。その代表がラテマネー。
![【ナゼ?】医者のあなたが金持ちでないか](https://med-fp.com/wp-content/uploads/2022/09/why-you-doctor-is-not-rich-320x180.jpg)
ラテマネーをなくす
コンビニなどでついでに買うコーヒーやカフェラテ。
「ラテマネー」と言われているが、こいつが馬鹿にならない。
やっかいなのは、数百円程度の支出なので記憶に残らないことだ。
その昔、後輩から資産相談を受け、家計簿アプリを使うようアドバイスした。
後日報告を受けてびっくりした。
ラテマネーが月1万円を越えていたのだ。
彼も驚いたようで、その後は自宅からコーヒー持参で通勤している。
浮いた1万円はNISAへ突っ込み、増えていると話してくれた。
奢侈品のリストラ
節約を進める中で効果を実感したのが、断捨離。
使わなくなったメーカーモノの衣類を、リサイクルショップに持ち込んだ。
二束三文の買値にガッカリして、価値の落ちる商品は買わなくなった。
今は上から下までユニクロ。ユニクロ最高!
また定期購読していたファッション誌とクルマ雑誌も解約した。
節約になると供に余計な広告や記事が目に入らず、欲しくなくなった。
贅沢品のリストラは、今までのムダに気づく事で物欲を断捨離できる。
![となりの億万長者](https://med-fp.com/wp-content/uploads/2020/07/millionaire_next_door-e1595317304646.png)
その他の節約
ネットには「居住費を下げる」「携帯キャリアの見直し」「保険の見直し」が3大固定費節約として挙がっている。
やっていないのでコメント程度になるが、居住費の下げは生活の質を落とす可能性が高く、ストレスフルなドクターには難しいかもしれない。
携帯キャリアの見直しは、取り組んでも良いだろう。
保険の見直しは、医者は高収入ゆえ、慎重に考えた方が良いと思う。
資産防衛
インフレの今、資産が「現金だけ」ではジリ貧だ。
投資を考えたいが今は投資環境も悪く、
増やすのではなく、守ることに重点を置いた方が良い。
現金はインフレに負ける
三菱UFJの定期金利が10年モノで0.2%になったが、インフレは3%を越える。
実質金利は0.2%-3%=マイナス2.7%と、購買力が低下する。
汗水垂らして稼いだカネが、減価してゆく様子を眺めるのはツライ。
![【緊急提言】インフレ対策はドルではない!](https://med-fp.com/wp-content/uploads/2022/05/doller-is-not-goog-for-inflation-320x180.png)
今、株には向かい風が吹いている
投資の王道、株。
しかし米国株は高くなりすぎた。
S&P500はPER 20、つまり企業利益20年分の株価だ。
PER 15がちょうど良いと言われている。
株は「安く買って高く売る」が原則。
配当狙いでも、株価が高ければ配当率が下がってしまう。
投資のタイミングとしては、あまりよろしくない。
不動産投資も微妙
こちらも安く買って高い収益性を確保するのが、成功の秘訣。
不動産投資に融資はつきものだが、金利も上昇している。
昔ほどのうまみは、ないだろう。
ゴールドはまだ安全だろう
金は昔から、インフレと有事に強い資産。
世界的なインフレに加え、ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争と、世の中がきな臭い。
金が一番輝く時代になってしまった。
円建ての金価格が最高値を更新している。街で「金買い取ります」の看板を頻繁に目にするわけだ。
1g=1万円を越え、手が出ないように思えるが、金価格はドル建てで判断する必要がある。
現在金は1オンス1,900ドル後半。以前は2,000ドルを超えていた。
ドル建てではまだ上昇の余地がある。
直近のWGCレポートでは中央銀行の購入量が高止まりしている。
各国政府が買った金はほとんど売りに出ず、価格は下支えされる可能性が高い。
それでも価格は上下するため、金現物を積み立てるのがオススメ。
![医師が知るべき金投資の真実 - 初心者向けガイド](https://med-fp.com/wp-content/uploads/2023/09/gold-investment-guide-for-doctors-320x180.jpg)
まとめ
いよいよ医療費への締め付けが本格的に始まった。
開業医の未来も暗くなってきた。
家庭も国も、借金を返すためには支出を減らさねばならない。
日本のGDP=収入約500兆円に対して、1,300兆円もの借金をしている状態。
しかも高齢化で医療・介護・年金の支出が増える一方。
診療報酬費引き下げは、必然の流れと言える。
年収500万円の世帯が1,300万円の借金をし、しかも毎年借り入れが増えているような状態。
家計見直しが必要だ。
こう書くと「国と家庭を一緒にするな!」と反論があがる。
確かに国は円を増やせるが、結果として円安によるインフレが進んでいる。
社会保障費を払うために国債を増やせば、強烈な円安でインフレが加速する。
![【反省】日本はデフォルトしない!しかし・・・](https://med-fp.com/wp-content/uploads/2022/07/jgb-not-default-but-inflation-320x180.png)
一般家庭は借り入れできなくなるが、国はなまじ借金を続けられるため、かえってやっかいだ。
国民の生活は苦しくなる。
医者も苦しくなる。
行く末を案じるが、いま我々に出来ることは、生活費を下げて身を守ること。
そして、今ある資産を守ることだ。