【この記事の要点まとめ】
- 2025年の振り返り:金価格は年間でプラス70%という歴史的な上昇を記録。
- 新たな巨大な買い手:ステーブルコイン最大手のテザー社が、中央銀行(韓国やギリシャ等)を凌駕するペースで金を大量購入。
- 需給構造の変化:テザー社の利益が自動的に金市場へ流入する仕組みが、価格の強力な下支え(サポート)に。
- 2026年の展望:地政学的リスク(ベネズエラ情勢等)と法定通貨の価値毀損(ディベースメント)により、上昇トレンド継続の可能性が高い。
2026年の金価格展望:2025年のプラス70%上昇を経てどう動くか?
2026年が幕を開けましたが、資産状況はいかがでしょうか?
昨年2025年は、まさに「ゴールド(金)の年」でした。年初には2,600ドル台だった金価格は、12月には4,500ドルを突破。
日本円でも15,000円台から25,000円台(税込み)と躍進しています。
年間上昇率はプラス70%という歴史的な急騰でした。
本ブログでは2026年の金価格展望について、最新の情報と共にお伝えします。
特に、これまで金市場には存在しなかった「未知の巨大な買い手」の出現について、詳しく解説していきましょう。
金価格が決まる仕組みとは?従来の3大勢力と「第4の買い手」の出現
まず、金という資産の特殊性を整理しておきましょう。
株式であればPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、不動産であれば賃料利回りといった「適正価格」を測る指標があります。
しかし、金は配当も利息も生まないため、その価格は純粋に「需要(買い手)」と「供給(売り手)」の力関係だけで決まります。
これまでの歴史において、金の主要な買い手は主に以下の3勢力でした。
- 中央銀行:国家の信用補完として、外貨準備の一部をドルから金へシフト。
- 投資家:ETFや金地金を通じて、インフレヘッジやリスクオフ局面で保有。
- ジュエリー需要:中国やインドなどの実需層(ゴールドの実需)。
しかし2025年末、この均衡を破る第4の勢力が台頭しました。それが、暗号資産(クリプト)界の巨人「テザー(Tether)社」です。
ステーブルコインの「テザー(USDT)」とは何か?金市場に与える影響
「テザー(USDT)」という言葉を初めて聞くドクターも多いかもしれません。
簡単に言えば、「1ドル=1USDT」として価値が固定(ペグ)されたデジタル上の米ドルです。
暗号資産の世界は価格変動が激しいのですが、USDTは価格が常に1ドルに連動するように設計されています。
専門用語では「ステーブルコイン」と呼ばれます。
なぜテザー社が金市場で注目されるのか?
それは、同社が「発行したUSDTと同額以上の資産」を裏付けとして保有しているからです。
いわば、民間企業でありながら、事実上のドル発行銀行のような役割を果たしています。
テザー社はこれまで、その裏付け資産の多くを米国債で運用し、金利で莫大な利益を上げてきました。
しかし、2025年、彼らはその利益の矛先を大きく変えたのです。
テザー社の金保有量は116トン超え。中央銀行を凌駕する驚異の購入ペース
2025年第3四半期のレポートによれば、テザー社の金購入は驚異的なペースに達しています。
- 2025年第三四半期の購入量:26トン
- 総保有量:約116トン
この「116トン」という数字がどれほど異常か、他の中央銀行と比較してみましょう。
【比較】テザー社 vs 世界の中央銀行(金保有量)
| 順位 / 組織名 | 国・機関名 | 金保有量 (トン) |
|---|---|---|
| 25位 | ベルギー | 約227 t |
| ★注目 | テザー (Tether) 社 | 116.0 t |
| 32位 | ギリシャ | 約114 t |
| 34位 | 韓国 | 約104 t |
| 38位 | ハンガリー | 約94 t |
※2025年9月末時点のテザー社レポートおよびIMF/WGCデータを基に作成
ご覧の通り、テザー車は一民間企業でありながら、今や韓国やギリシャといった国家の中央銀行を凌駕する金の保有量を誇っています。
2025年、テザー社は毎週1トン以上のペースで金を買い続けました。
中央銀行の購入が鈍化する場面でも、彼らが「利益の一定割合を必ず金とビットコインに換える」という方針を貫いたことが、金価格の強力なサポート(下値支持)となったのです。
2026年の金価格を予測:上昇トレンドが継続すると考える3つの根拠
では、始まったばかりの2026年、金価格はどこへ向かうのでしょうか。
私は、「2026年も金の上昇傾向は続く」と予測しています。その理由は大きく分けて3つあります。
① ステーブルコイン普及による需給構造の変化
テザー社のようなデジタル資産発行体が金の「常連の買い手」になった意味は、重い。
米国政府の後押しもあり、ステーブルコイン発行量は増えると見込まれています。
テザー社のビジネス(USDTの発行)が拡大し続ける限り、自動的に金市場に資金が流れ込む仕組みが出来上がりました。
これは、従来の「金利が上がれば金が下がる」というセオリーを無効化しつつあります。
② 地政学的リスクの激化と「脱ドル化」の加速
2026年1月3日、トランプ政権によるベネズエラのマドゥロ大統領拘束(事実上の拉致・政権転換への介入)という衝撃的なニュースが世界を駆け巡りました。
これに反発する南米諸国や、対立を深める中露といったBRICS諸国は、ドル依存からの脱却(脱ドル化)を加速させています。
「他国に差し押さえられるリスクのない資産」としての金の重要性は、この事件を機にさらに一段階上がりました。
③ 法定通貨の「ディベースメント(価値毀損)」と資産格差の拡大
米国や日本の膨大な債務と、止まらない通貨発行。ドル・円の実質的な価値が目減りしていく中で、購買力を維持できる資産は限られています。
もちろんゴールドは、その代表格です。
これからさらに、株、不動産、金などの資産を持つモノと持たざるモノの格差が開いてゆくでしょう。
まとめ:医師投資家が2026年に金(ゴールド)を保有すべき理由
医師投資家の皆さん、ポートフォリオに金は組み込まれていますか?
2025年9月からの金価格急騰は、ゴールドを保有していない投資家達が「乗り遅れまい」と、あわてて購入したことも原因です。
金は、もはや「有事の備え」という消極的な守りの資産ではなく、最も信頼性の高い「最強の通貨」へと変貌を遂げました。
2026年は、さらに金融市場が不安定化すると予想されています。
ご自身の資産を再点検する良い機会と思います。
金の専門家による網羅的な解説書です。



