「そういえば、年金っていくらなんだろう?」
年末に気になり、ねんきんネットで年金見込額を調べてみました。
月12.5万円
これだけ?!
びっくりして顧問の社会保険労務士に聞いてみました。
その結果、次のような問題点が・・・。
これを契機に、医者の老後を考えてみました。
●ねんきんネットの問題点
まず、年金見込額は50歳以上にならないと、確認できません。
しかも結果は「60歳まで払った」と仮定して計算されます。
ドクターは65歳まで働くヒトがほとんどでしょう。
開業医に至っては、後期高齢者になっても続けるヒトが多い。
コレでは見込額がアテになりません。
さらに問題点がありました。
●公務員時代の年金は反映されない
こっちの方が問題。
研修医から定年まで同じ医療機関にいるヒトは、皆無に近いでしょう。
医療機関をまたぐヒトがほとんど。
自分の場合は、
研修医(公立病院)
↓
大学院(学生)
↓
私立病院
↓
公立病院
↓
大学病院
↓
開業
と6カ所で働きました。
そうなると、国民年金と2つの厚生年金(日本年金機構と公務員共済組合)にまたがります。
ねんきんネットで分かるのは日本年金機構のモノだけ。
公務員の時の年金は「地方職員共済組合」や「国家公務員共済組合」のweb siteから調べられるそうですが・・・。
調べ方がまったく分からない。
「ねんきんネット」ダメじゃん・・・。
デジタル後進国だな~。
仕方ないので、こちらのサイトで年収からシミュレーションした結果、
世帯で月27万円でした。
これで足りるんだろうか・・・。
●いくら使ってるんだろう?
老後の生活費って、全く想像できません。
そこで現時点の生活費を把握することに。
マネーフォワードMeで家計簿を付けています。
半年程度の経過を追って、今の生活費をザクッと把握しました。
うーむ、一時期より増えている。
思ったより食費と娯楽が多い・・・。
コロナが落ち着いて温泉に結構行ったからな~。
それでも医者の平均月収よりはずっと少ない額でした。
●医者は高収入高支出
ドクターの平均月収は100万円を越えます(平均年収1,300万円程度)。
老後に同じ感覚で生活すると、あっという間に困窮化します。
現役時代に対策を立てないと、大変なことに。
特に開業医は、自分の退職金も、自分の企業年金も、すべて自分で作らねばなりません。
取り組んでいるのは、次の通りです。
●まずは節約
コレは開業時から心がけています。
リタイヤ後は収入が減りますが、いきなり緊縮家計に突入すると苦しい思いをします。
現役時代から支出のリストラが必要でしょう。
給与天引き預金を導入し、強制的に生活費を削るコトで、
本当に必要な支出のみに絞っていました。
それでも最近は、財布のひもが緩みがちになっています・・・。
改めて年金受給額を確認すると、いくら老後とはいえ、公的年金だけではしんどい。
●年金を増やしたい
個人で出来る年金対策は多くありません。
付加保険はせいぜい月200円増える程度で、医師年金は控除がありません。
個人年金保険は控除があるので、契約しています。
しかし劇的に受給額を増やせるわけではありません。
また円だけではインフレに弱く、昨今の値上げラッシュでは心許ない。
そこで法人を使った対策です。
●法人契約保険
年金として受け取れる養老保険に加入し、退職金にしようと思っています。
月に20~30万円の予定。
掛け金の半分は経費となるため、節税にもなります。
さらに、投資商品を年金代わりと考えています。それは・・・。
●ゴールド
個人で純金積立などを利用し、金を保有しています。
配当はないのですが、2010年以降7%/年くらい上昇しています。
2023年は急騰し、プラス22%でした。すごかったな~。
最大の要因は円安。
1g=1万円台に到達し、2024年に入ってからも下落していません。
しかもリタイヤ後、収入が減ってから売却すると、税率も低くなります。
手間がかからず、インフレ対策になる点も有利です。
でも配当がないのは寂しい。複利も効きません。
●今後は高配当株
昨年はほとんど株を売買していないため、手持ち資金は潤沢です。
キャッシュはマーケットが暴落したときに、株やREITの購入に充てる予定。
配当・分配金は年5%が目標。
1,000万円の高配当株を手に入れれば、年50万円(月4.1万円)の配当が期待できます。
え、本当にそうなるのかって??
REIT-ETFは現在3.8%程度なので、下落時(=配当・分配率上昇)に拾えば、十分到達できます。
しかも株・REITはインフレ対策にもなります。
難点は、いつ暴落するか分からないこと。
鳴かぬなら、鳴くまで待とう、ホトトギス。
●iDeCo、新NISAは?
iDeCoは既に積み立てており、プラス30%程度。
新NISAでは、成長投資枠を使って高配当株を狙います。
つみたて投資枠は投資信託のみが対象なので、あまり目が行きません。
なお巷ではオルカンやVTが流行で、ドル・コスト平均法で買うヒトが多いでしょう。
ドル・コスト平均法を成功させるコツは、暴落しても売らないこと。
でもなかなか出来ないんですよ・・・。
下がり行く株価を眺めながら、パニックにならずに取引する。
コレも投資の勉強と思います。
●まとめ
老後のマネープランを計算して、気持ちが落ち着きました。
今の生活を続けることが出来そうです。
医者の老後って、ほとんど話題になりません。
勤務医はバイトで、開業医はクリニックで、
体調を崩すまで診療を続けるヒトが、実に多い。
「生涯現役」と言えば格好良いのですが、
退職後に何やって良いのか、分からないのかもしれません。
もしかすると、収入が減ってしまうのがコワいのかも。
やっぱ医者は高支出ですから・・・。
リタイアに本当に必要なのは「やりたいこと」と「節約生活」かもしれないですね。
リタイヤした男性の物語。リアルです。