こんにちは。山のクマです。
現代はネットで簡単に情報が手に入ります。しかし、その中にはデマや正しくない情報も多い。まさに玉石混淆です。
WELQ事件は、まさにこのことを示した出来事でした。
こちらのブログでも書きましたが、論理的思考で目の前の事象を構造化することが大切です。しかし、正確な情報を入手しないと、論理的思考を紡ぐことが出来ません。
では、ネットの情報はアテにならないか?そんなことはありません。上手に選べば、有益な情報が手に入ります。
今回は、ネットに限らず、有益な情報をどのように選別するか、考えてみました。
ポイントは「常に情報に接すること」と「自分の直観を磨くこと」です。
定性的情報
数値化されない定性的情報は、なるべく一次情報を得ることが大切です。つまり、ナマの情報です。医学論文でもリファレンスを挙げますが、これが一次情報です。
一次情報を加工したモノが、二次情報です。この二次情報は、いかにも一次情報らしく提示しているにもかかわらず、全体の流れを無視して一部だけ切り取ったモノもあり、要注意です。
人の話を一部だけ切り取ると、別の意味が生まれてしまいます。マスコミが良く使う手法です。
また背景を説明するとき、わざとずらした視点から論旨展開していることもあるため、ここも気を付けなければなりません。
なお、こちらの本も、定性的情報を選別するときに参考になります。
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定量的情報
定性的情報に比べ、定量的情報、つまり数値化された情報には、高い信頼度があります。ただし、いくつか注意点があります。
一つ目は、母集団がどうなのか。例えば「顧客満足度90%」とうたっていても、満足しなかった人はそもそもアンケートに答えません。つまり母集団は満足度の高い人たちなのです。
二つ目は、数字の桁数。「○○1,000ミリグラム」とケタの多い数字は、感情を揺さぶりやすい。なんのことはない1グラムです。
三つ目は、判断に適した数値なのか。「○○1,000ミリグラム」の宣伝も、本当にその「○○」が必要なのか、考えるべきです。
疑うことが大切
定性的情報、定量的情報とも、価値のある情報を選別するには、全ての情報に対して「疑い」を持つことが重要です。
「疑い」を持つと、情報に触発されて起こる「感情」を遠ざけ、「思考」を発動できるようになります。
「思考」を働かせることで、明らかにおかしい情報をはじくことが出来ます。
常に情報に触れることが大切
思考を働かせても、有益な情報かどうか判別が付かない時があります。その際重要になるのは、常にその分野の情報に触れていること。
やや視点がずれますが、収益不動産やスーパーの野菜の値段には、相場があります。相場観は、常に情報に触れていることで養われます。
もちろん、相場観は、成功と失敗を繰り返し、はじめて得られます。
玉石混淆の情報についても、常に触れていることで、わからなくとも「なんとなく正しそう」「なんとなくウソっぽい」という感覚が養われてきます。
ディオバン事件
例として「ディオバン事件」を取り上げます。
当時の状況を思い返すと、Lancetなどに発表されたデータを見たとき、「他のARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)ではあまり有意差が出なかったのに、どうしてバルサルタンだけはっきりと有意差が出たのだろう?」と疑問がありました。
この時点ではまさかデータに人為的操作があるとは思っていなかったのですが、バルサルタンを積極的に使うことはしませんでした。
大学でずーっと研究をやってきた先輩も、なんとなくデータに違和感を感じ、バルサルタン処方量は変えなかったそうです。
そのため、いざ事件が明るみに出ても、困ることはありませんでした。
ドクターの中には、データを見て「ディオバンすごいね!」と処方量を増やしたあげく、事件発覚後は「ノバルティスなっとらん!」とMRさんをしかりつけていた人がいると聞きました。
まとめ
これからも情報は、あふれかえるほど出てきます。
情報の波に飲まれることなく、かつ診療、投資などに利用するには、今まで以上にデータの取り扱いが今まで以上に重要ですね。
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