- 資産額に応じた「ギアチェンジ」: 資産形成の正解は一つではなく、資産が10倍増えるごとに戦略を切り替える必要がある。
- レベル1〜2(〜1,000万円): 投資リターンより「人的資本(臨床能力)」の最大化が最優先。医学書やスキルアップへの投資を惜しまない。
- レベル3(〜1億円): 本業以外の「投資」が主役。累進課税に対抗するため、不動産や株などで「分離課税所得」を育てる。
- レベル4(1億円〜): 「倹約OS」を若いうちに導入しておくことで、いくら使っても資産が減らない「心理的フリーダム」のステージへ。
- 日本独自の戦略: 「もったいない精神」を肯定。小さな節約の習慣が、将来大きな資産を保有した際のメンタルな自由を支える。
- なぜ医師の資産形成には「戦略の切り替え」が必要なのか?『富の階段』という羅針盤
- 【レベル1】資産100万円未満:投資はまだ早い!「人的資本」の最大化こそが最強の資産形成術
- 【レベル2】資産1,000万円まで:キャリアアップで入金力を高め「倹約OS」をインストールする時期
- 【レベル3】資産1億円まで:貯蓄から投資へシフト!医師の累進課税に対抗する「分離課税所得」の作り方
- 【レベル4】資産10億円まで:「億り人」の心理的解放と、資産を減らさず自由に使うための大転換
- 【レベル5・6】資産10億円超え:勤務医の枠を超えた「事業家・資本家」の景色と、富のダークサイド
- 結論:医師の資産形成は「資産額10倍」ごとにギアチェンジせよ。もったいない精神が真の自由を創る
なぜ医師の資産形成には「戦略の切り替え」が必要なのか?『富の階段』という羅針盤
「金持ちになりたいんですが、節約、新NISA、積立預金、不動産投資、副業、どれをやると良いんですか?」
後輩からよく聞かれる質問です。
私たちは日頃、患者さんの健康管理には細心の注意を払っていますが、自分自身の「資産の健康管理」については後回しになりがちではないでしょうか。
世の中にはインデックス投資、不動産、あるいは節税スキームなど、数えきれないほどの「資産形成術」があふれています。
しかし、自分にとってどの方法が最適なのか、迷ってしまうことも多いでしょう。
先日、ニック・マジューリ著の『THE WEALTH LADDER(富の階段)』を読みました。
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この本は、そんな私たちの迷いを一掃してくれる「資産形成の羅針盤」とも言える一冊でした。
今回は、本書の核心である「資産規模に応じて戦略を切り替える」という考え方に、私自身の体験や日本独自の社会背景(特に医師特有のキャリアパス)を掛け合わせた、「資産形成術の決定版」をご提案したいと思います。
もちろん、正解は一つではありません。あくまで一つの有力な戦略として、ご自身の状況に照らし合わせてみてください。
【レベル1】資産100万円未満:投資はまだ早い!「人的資本」の最大化こそが最強の資産形成術
研修医時代やキャリアのスタートラインにいるこの時期、最も優先すべきは「このレベルを最短で駆け抜けること」です。
この段階では、投資のリターンで資産を増やそうと考えるのは非効率です。
資産100万円で年利5%を達成しても、年間5万円。それよりも、本業である臨床に全力を注ぎ、人的資本(稼ぐ力)を最大化する方が遥かにROI(投資対効果)が高いのです。
戦略
- 副業や投資先をリサーチする時間があるなら、医学書を読み手技を覚える
- 臨床能力が上がれば、将来の転職時条件が劇的に向上する
支出
- 生活防衛資金を確保のため、不要な支出は徹底的に削る
- ただし、医学書や講習会への投資をケチってはいけない
- なぜなら それは将来何倍にもなって返ってくる「最高の資産」だから
仕組み
- 意志の力を使わず、自動積立預金で強制的に貯まる仕組みを作る
- 残ったお金で生活する習慣を身につける
【レベル2】資産1,000万円まで:キャリアアップで入金力を高め「倹約OS」をインストールする時期
少し手元に余裕が出てくる時期ですが、ここでもまだ主役は「本業」です。著者の説く通り、人的資本を深化させる時期です。
キャリア
- 専門医の取得や、大学院での学位取得を目指すのが王道
- これらは医師としての市場価値を決定づけ、将来の収入の「床」を高くしてくれる
資産形成
- 積立預金は継続する
- 新NISAを活用したインデックス投資、あるいは価値がゼロにならない純金積み立てなどを始める
マインドセット
- この時期は時計や車といった「消費財」を買わないようにする
- インカムやキャピタルを生む「資産」を買う癖をつける
「倹約OS」のインストール
- 日本人特有の「もったいない精神」を意識的に心身に刻み込む
- この時期に身につけた倹約精神は資産が膨らんだ時、本当の自由をもたらす「OS(基本ソフト)」となる
【レベル3】資産1億円まで:貯蓄から投資へシフト!医師の累進課税に対抗する「分離課税所得」の作り方
野村総合研究所(NRI)の定義で言えば「アッパーマス層」から「準富裕層」へと昇格する時期です。
心に大きな余裕が生まれ、自尊心も満たされてくるでしょう。
ここでようやく、戦略の主役が「貯金」から「投資」へシフトします。
お金に働いてもらう
- 「自分のポケットにお金を入れてくれる資産」を本格的に買い集める
- 株、不動産、あるいは法人の設立など、選択肢は多様であり、自分に合ったモノを選ぶ
累進課税への対抗
- 医師としての給与所得は税率(所得税・住民税)が非常に高い
- 収入を増やすだけでは、手残りはなかなか増えない
- 投資所得は「分離課税」が適用される
- 事業所得は様々な支出が経費化が可能
- これらを「第二の収入」として育てることが、1億円の大台(億り人)への突破口となる
【レベル4】資産10億円まで:「億り人」の心理的解放と、資産を減らさず自由に使うための大転換
日本全世帯のわずか3%しか到達できない「億り人」のステージです。
医師としての成功と、賢明な投資戦略の両方が結実した姿と言えます。
心理的解放
- レベル2・3で「倹約OS」をインストールした人は至福のステージ
- 「いくら好きなようにお金を使っても、資産が減らない」
- その理由は投資収益が支出を上回るため
大転換の必要性
- ただし、レベル4は抜け出すのが難しいステージ
- レベル5(10億円〜)は「働きながら投資する」というスタイルでは限界が来る
- より大きなレバレッジ、あるいは事業主としての完全な転換が必要になり、道のりは非常に険しい
ダークサイドの萌芽
- 資産が増えるほど、管理の複雑性、相続の問題、人間関係の変化が出てくる
- 「富のマイナス面」も無視できなくなるステージの入り口
- 自分が本当にその先へ行きたいのか、一度立ち止まって問い直すべき時期
【レベル5・6】資産10億円超え:勤務医の枠を超えた「事業家・資本家」の景色と、富のダークサイド
このレベルに到達しているのは、勤務医の枠を完全に超え、自分の事業(医療法人や不動産、その他ビジネス)を所有・拡大させた人々です。
私の周囲にもこのレベルの方は少数いますが、共通しているのは「長年の不動産投資」や「事業の成功」です。
ここでは単なる「余剰資金の投資」ではなく、組織を動かし、資本を投下する「資本家としての資質」が求められます。
困難も多いレベルですが、到達した者にしか見えない景色があるのは確かです。
結論:医師の資産形成は「資産額10倍」ごとにギアチェンジせよ。もったいない精神が真の自由を創る
『THE WEALTH LADDER』を読んで再認識させられたのは、「資産形成法は資産額により変化する」という当たり前、かつ見落としがちな事実です。
ギアチェンジが必要なタイミングは、資産額が一桁変わった時。これは私の実体験とも強く合致しています。
著者は「小さな節約(ラテマネー)を気にするな」と述べていますが、私は日本での実践においては、あえて「ラテマネーを意識するもったいない精神」を推奨したいと思います。
なぜなら、その精神を若いうちにインストールしておくことで、レベル4に達した時に、何の不安も罪悪感もなく「真の心理的フリーダム」を享受できるようになるからです。
「節約」を我慢ではなく、将来の自由を買うための「最適化」と捉えること。そして、今の自分の階段の位置を正確に把握すること。
この記事が、多忙な医師の皆様の資産形成における一助となれば幸いです。
同じ著者のベストセラー。レベル2, 3に適した戦略を詳細に解説しています。
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