【この記事の要点まとめ】
- 医師の「実質減収」時代:働き方改革とインフレにより、高所得な医師でも資産が目減りするリスクに直面。
- 3割の医師が未着手:運用の必要性を感じつつも、多忙を理由に約3分の1のドクターが行動に移せていない現実。
- 生物学的なリスク回避:日本人は遺伝子レベル(DRD4 7R)で慎重であり、医師の職業特性がその「投資への壁」をさらに厚くしている。
- エピジェネティクスによる解決:DNAは変えられなくても「スイッチ」は変えられる。新NISAなどの環境変化を利用してマインドを書き換える。
- コミュニティの活用:信頼できる医師仲間との交流こそが、不安を解消し「投資家脳」へアップデートするための最も効率的な手段。
医師の働き方改革とインフレで「実質減収」に。高所得ドクターでも投資が必要な理由
「医師免許さえあれば、一生お金に困ることはない」と、かつて当たり前のように語られていたこの言説は、今や過去のものとなりつつあります。
2024年4月から本格始動した「医師の働き方改革」。施行から時間が経過した今、現場のドクターが直視しているのは、単なる労働時間の短縮だけではありません。
時間外手当の削減や、研鑽時間の扱いによる「実質的な減収」です。これまでハードワークで維持してきた高い所得水準が、制度的に抑制されるフェーズに入っています。
追い打ちをかけるのが、世界的な、そして国内でも顕著になったインフレ(物価上昇)です。 名目賃金が維持、あるいは微減するなかで、生活コストや教育費、医療機器の価格は上昇し続けています。
つまり、銀行口座に眠らせているキャッシュの価値は、私たちが外来診察をしている間にも刻一刻と目減りしている――「実質賃金の低下」という厳しい現実に、多くのドクターが直面しています。
「投資をやらなきゃ、と思いつつも一歩が踏み出せていない」
そんな先生の背中を押すのは、根性論ではありません。
なぜ私たちは動けないのか、そしてどうすれば「投資家脳」へアップデートできるのか?最新の遺伝学とエピジェネティクスの視点から、その解決策を提示します。
医師の資産運用実態:約7割が開始済みも、3割が「多忙」を理由に未着手の危機
まず、先生の周囲のドクターたちがどのような行動をとっているか、データを確認してみましょう。
CareNetが実施した資産運用に関するアンケートによれば、何らかの資産運用を行っている医師は全体の約67%に達しています。
3分の2のドクターがすでに動いているという事実は、裏を返せば「約3割の医師が、今の危機的状況を知りながらも動けていない」ことを示しています。
特に深刻なのは、40代、50代とキャリアを重ね、責任ある立場にいるドクターほど、日々の業務に忙殺され、資産形成の優先順位を上げられない傾向にあることです。
資産形成をはじめない理由
- 「今は忙しいから、落ち着いたら考えよう」
- 「専門医を取ってから」
- 「教授選が終わってから」
そう自分に言い聞かせているうちに、複利の恩恵を受けられる貴重な時間は失われていきます。
しかし、ここで一つお伝えしたいことがあります。
先生が「投資に対して慎重すぎる」のは、決して怠慢でも決断力の欠如でもありません。実は、日本人が共通して持つ遺伝子に原因があるかもしれないのです。
なぜ医師は投資に慎重なのか?「新奇性追求遺伝子(DRD4 7R)」と日本人のリスク回避傾向
「日本人は貯金が好きで、投資が嫌い」 これは国民性や文化の違いだと片付けられがちですが、近年の研究では生物学的な背景が指摘されています。
鍵となるのは、脳内のドーパミン受容体に関わる「DRD4 7R」と呼ばれる遺伝子です。
これは「新奇性追求遺伝子」とも呼ばれ、リスクを恐れずに新しい環境へ挑戦したり、未知の領域に足を踏み入れたりする性質に関係しているとされています。
参照:Coral Capital「起業家の遺伝学:リスクを取る能力は生まれつきなのか?」
この「7R型」遺伝子の保有割合を国別で見ると、米国などでは比較的高いのに対し、日本を含む東アジア諸国では極めて低いことが判明しています。
つまり、私たち日本人は遺伝子レベルで「変化を避け、現状を維持することに安らぎを覚える」個体が選別されてきた歴史があるのです。
特に医師という職業は、エビデンスを重視し、リスクを最小限に抑える訓練を日々受けています。遺伝的な慎重さに加え、職業的な慎重さが加わるのですから、投資のような「不確実な世界」に一歩踏み出すのが人一倍難しいのは、ある意味当然の結果といえるでしょう。
では、私たちはこの「投資に不向きな遺伝子」に縛られて生きていくしかないのでしょうか? その答えが、「エピジェネティクス」という希望です。
エピジェネティクスで投資脳へ:環境変化(新NISA)が日本人の「投資スイッチ」をONにする
「エピジェネティクス(後生学的制御)」とは、簡単に言えば「DNAの塩基配列は変えられなくても、そのスイッチのON/OFFは後天的な環境によって変えられる」という学問です。
例えば、一卵性双生児であっても、育つ環境や生活習慣によって、特定の疾患の発症リスクが大きく変わることが知られています。
これと同様に、私たちの「投資に対するマインドセット」も、身を置く環境によって劇的に書き換えることが可能なのです。
社会環境が変えた「投資スイッチ」
2024年から始まった「新NISA」は、まさに日本人のエピジェネティックなスイッチを切り替える巨大な装置となりました。
ニッセイ基礎研究所の報告によると、新NISA発足以降、証券口座数は爆発的に増加し、特に若年層から現役世代にかけての投資行動が活発化しています。
参照:ニッセイ基礎研究所「新NISA開始後の個人投資家の動向」
「貯蓄から投資へ」という国の方針や、周囲の人間が当たり前のようにNISA口座を開設しているという外部環境の変化が、日本人の脳内にあった「慎重すぎるスイッチ」をOFFにし、「資産形成へ向かうスイッチ」をONにしたのです。
そして、このエピジェネティクスを個人のレベルで最も強力に、かつ確実に発動させる方法こそが、「投資仲間を作る」ことなのです。
医師に最適な資産運用学習法:投資コミュニティへの参加がもたらす3つの心理的メリット
医師にとって、最も効率的な学習法は何でしょうか。教科書を独読することでしょうか? いいえ、最も血肉となるのは、信頼できる同僚や先輩との症例検討や、学会での議論、あるいは手術室でのリアルな指導のはずです。
投資も全く同じです。 一人でPCの前に座り、孤独にチャートや銘柄分析と向き合っても、遺伝子レベルの「不安」は解消されません。
しかし、同じ志を持つコミュニティに身を置くと、驚くほど自然にマインドセットが変化します。
投資グループに加わることで得られる3つの「エピジェネティック・エフェクト」
自分もこちらのサロンに加入して、投資に対するマインドセットが向上しました。その経験も踏まえ、具体的な効果を列挙します。
「投資=当たり前」という心理的安全性
投資をしていない集団にいると、投資の話をすること自体が「はしたない」「リスクが高い」と感じてしまいます。
しかし、投資コミュニティでは「どのETFを買っているか」「アセットアロケーションをどう組んでいるか」が日常会話になります。
この環境変化が、脳の「拒絶反応」を解除します。
医師特有の課題への最適解
「働き方改革で減った外勤代をどう補うか」「高額な所得税を考慮した上での出口戦略はどうすべきか」といった悩みは、一般の投資本には書かれていません。
同じ悩みを持つドクター仲間との対話こそが、最も精度の高い情報源となります。
「成功の追体験」による自己効力感の向上
身近な先生が実際に資産を増やし、経済的な余裕を持って診療に当たっている姿を目の当たりにすることで、「自分にもできる」という確信が生まれます。
このポジティブな刺激が、先生の行動スイッチを力強く押し込みます。
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SNS(Xなど)で情報を追うのも第一歩としては良いでしょう。しかし、情報の濁流に呑み込まれ、かえって不安が増大してしまうこともあります。
実名制のコミュニティや、医師限定の勉強会など、「双方向の対話がある環境」こそが、多忙なドクターにとって最もタイパの良い投資教育の場となるのです。
【まとめ】医師が働き方改革を乗り越え、投資家マインドを形成するための3つのステップ
働き方改革による減収、そしてインフレによる実質賃金の低下。
私たちが置かれている状況は、もはや「何もしないことが最大のリスク」となるフェーズに入っています。
投資の一歩が踏み出せないのは、先生の能力不足ではありません。
日本人の遺伝的特性と、医師というプロフェッショナリズムがもたらす慎重さゆえです。
しかし、エピジェネティクスが教える通り、環境さえ変えれば、私たちは変わることができます。
【要約】ドクターが投資マインドを切り替え、行動するための3つのポイント
- 「医師の働き方改革」は、収入構造を見直す絶好のチャンスである
- 「新NISA」という時代の波に乗り、環境の力を利用する
- 「投資コミュニティ」に身を置き、強制的にマインドセットを書き換える
一人で悩む時間はもう十分に取ったはずです。 これからは、同じ志を持つ仲間と共に、変化の時代を勝ち抜くための「投資家としての自分」を育てていきませんか。
まずは、身近な信頼できる先生に「どんな運用をしているか」と声をかけることから始めてみてください。その一言が、先生の未来をエピジェネティックに変える大きな一歩になるはずです。
マンガですが、投資に関する知識がつまっています。


