- 世界経済の過剰債務:全世界の負債総額は340兆ドルに達し、GDP比3.4倍というリーマンショック時(2.8倍)を大きく上回る危険水準にある。
- 3つの金融リスク:「米国商業用不動産の1兆ドル規模の借り換え問題」「PE(未公開株)市場の資金繰り悪化」「AI業界の循環取引による売上水増し」が暴落のトリガーとなる懸念がある。
- 銀行・年金への波及:米国の地方銀行や、私たちの年金・保険料を運用する機関投資家がこれらの負債を抱えているため、崩壊の影響は一般市民の生活を直撃する可能性がある。
- 歴史的なバブルの臨界点:2000年のドットコムバブルや2008年のリーマンショックと比較しても、現在の負債レバレッジは過去最大規模に膨張している。
- 個人が取るべき防衛策:金利上昇に備えたローンの固定金利化、インフレ・暴落対策としての現物ゴールド保有、および現金比率の確保が急務である。
2026年の株価暴落を予測する理由|新NISA時代に潜む「史上最大の時限爆弾」
新NISAの追い風もあり、世の中は空前の投資ブームに沸いています。しかし、私は今の市場に対して、かつてないほどの警戒感を抱いています。華やかな株高という「表舞台」の裏で、世界経済の足元には過去最大級の時限爆弾が仕掛けられているからです。
私が近い将来、世界的な株価暴落が避けられないと考えている理由を、具体的なデータとともに紐解いていきます。
なお、これから提示するデータはあまりに巨大すぎて実感が湧かないかもしれません。
そこで、経済の規模を測る物差しである「GDP(国内総生産)」と比較してみましょう。現在日米のGDPは以下の通りです。
主要なGDP
- 米国のGDP:約29兆ドル(世界最大の経済大国)
- 日本のGDP:約4.4兆ドル(世界第4位の経済規模)
- 世界全体のGDP合計:約100兆ドル
GDPとは、人々が1年間必死に働いて稼ぎ出すお金の合計です。それに対して、積み上がった「借金」はいくらになるのでしょう?
世界負債340兆ドルの衝撃|GDP比3.4倍に膨らんだ「借金バブル」の正体
現在、全世界の負債総額は約 340兆ドル。全世界のGDPは約100兆ドルなので、世界の負債はGDPの約3.4倍という、過去に例を見ない危険な水準に達しています。
> データ参照元:
> [国際金融協会(IIF)「Global Debt Monitor」]
https://www.iif.com/Products/Global-Debt-Monitor
> [IMF統計(2024-2025推計値に基づく)]
https://www.imf.org/external/datamapper/datasets/GDD
しかも「借金」は日に日に増大しています。
世界の負債総額
- 2000年ごろ: 約70兆ドル
- 2008年(リーマン前): 約170兆ドル
- 2020年(コロナ前): 約250兆ドル
- 2026年(現在):約340兆ドル
膨張する負債の山の中でも、特に私が「崩壊の引き金」になると考えているのが、次の3つのセクターです。
負債の危機が迫っているセクター
- 米国商業用不動産の負債
- プライベートエクイティの負債
- AI業界の負債(循環取引)
一つ一つ見てゆきましょう。
米国商業用不動産(CRE)の危機|2026年に迫る「1兆ドルの満期の壁」と地銀破綻リスク
一つ目の火種は、米国のオフィスビルなどを中心とした商業用不動産(CRE)です。
2026年現在、このローンの残高(債務残高)は約 5兆ドル。そのうち、すでに 約0.1兆ドルが不良債権化しており、さらに 0.25兆ドルが「潜在的な不良債権(予備軍)」と言われています。
> 出典:[MSCI Real Assets]
https://www.msci.com/data-and-analytics/real-estate/real-capital-analytics
全体の約6%がすでに「返す見込みのない借金」になっていますが、本当の恐怖はここからです。かつての低金利時代に借りたローンの満期が2026年に集中しており、その額は 約1兆ドル(約150兆円)に達します。
これらは現在のような高い金利での借り換えを余儀なくされるため、利払いに耐えきれず不良債権が一気に噴出する可能性が極めて高いのです。これらのローンには米国の地方銀行が深く関与しているため、デフォルト(債務不履行)の連鎖は、そのまま銀行危機へと直結します。
プライベートエクイティ(PE)の闇|15兆ドルの巨大債務が「私たちの年金」を侵食する
二つ目は、「プライベートエクイティ(PE)」と呼ばれる投資集団が抱える闇です。
PEとは、簡単に言えば「未上場企業を丸ごと買い取り、リフォームして高く売るプロの転売ヤー」のような存在です。その運用資産残高は、世界全体で 約14兆〜15兆ドルという巨額に膨れ上がっています。
> 出典:[McKinsey & Company]
https://www.mckinsey.com/industries/private-capital/our-insights/global-private-markets-report
彼らは少額の自己資金に多額の借金を組み合わせる「レバレッジド・バイアウト(LBO)」を基本としていますが、今、その出口が塞がっています。現在、高金利と景気減速により「売りたくても売れない企業」が3万社以上も溜まっており、資金繰りが急速に悪化しているのです。
「自分には関係ない」と思うかもしれませんが、PEには私たちの年金基金、生命保険、大学基金といった大切なマネーが大量に流れ込んでいます。PEの破綻は、一般庶民の老後や生活を直撃する大問題なのです。
AIバブル崩壊の前兆|循環取引による「水増しされた売上」とOpenAIの巨額赤字
最後は、今の株高を牽引しているAI業界です。
エヌビディアやマイクロソフトが莫大な利益を叩き出していますが、その裏側で行われている「循環取引」というかさ増しの実態をご存知でしょうか?
具体的には、以下のような構図です。
循環取引の例:
- マイクロソフトとエヌビディアがOpenAIに10億ドルずつ「投資」する。
- OpenAIはその金で、マイクロソフトの「クラウド」を契約し、エヌビディアの「チップ」を買う。
- マイクロソフトとエヌビディアは、出した金がそのまま「売上」として自分たちに戻ってくる。
まさに「右のポケットから出したお金を、左のポケットに入れて売上と言い張る」ような状態です。OpenAIは創業以来赤字続きで、累積赤字は 440億ドルとも言われています。
投資家はこの「実体のない数字」に気づき始めています。先日、マイクロソフトが好調な決算を発表したにもかかわらず、今後のAI投資への懸念から株価が下落したことは、バブル崩壊の前兆に見えてなりません。
> [日本経済新聞:MS決算、AI投資増を嫌気]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28CXI0Y6A120C2000000/
【結論】次の金融危機を生き抜く方法|個人投資家が今すぐ取るべき3つの防衛策
過去のあらゆるバブル崩壊を振り返ると、その要因は常に「身の丈を超えた借金」でした。
過去のバブル崩壊前の負債対GDP比:
- 2000年 ドットコムバブル直前:対GDP比 約2倍
- 2008年 リーマンショック直前:対GDP比 約2.8倍
- 2026年 現在:対GDP比 約3.4倍
今回のバブルが崩壊すれば、中央銀行は再び「マネーの増刷(量的緩和)」で救済を試みるでしょう。しかし、それはさらなるインフレを加速させ、私たちの資産価値を奪っていくことになります。
このような時代において、私は以下の3つの防衛策を徹底しています。
3つの防衛策:
- ローンの固定金利化:金利上昇による利払い増を防ぐ。
- ゴールド(金現物)の保有:通貨の価値低下(インフレ)に備える。
- 現金の確保と金ETF:暴落時の「買い場」を待ちつつ、インフレ対策も行う。
投資の世界に「絶対」はありませんが、歴史が教えてくれる「数字の真実」は存在します。340兆ドルという巨大な負債の塔は、私たちの目には見えない場所で、今も少しずつ軋(きし)み声を上げています。
嵐が来てから傘を探しても間に合いません。周りの熱狂に流されることなく、今一度、ご自身の資産の「守り」を見直してみてはいかがでしょうか。守り抜いた者だけが、次の新しいチャンスを掴み取ることができる。私はそう信じています。



