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医師が知るべき金投資の真実 – 初心者向けガイド

医師が知るべき金投資の真実 - 初心者向けガイド
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「金ジュエリー、高く買い取ります」

ここ数年、リサイクルショップの看板でよく見かける。

高齢者が持ち込み「高く買ってもらった」と喜んで帰って行く。らしい。

金価格高騰が市民生活に影響している。

以前から金投資は医者にお勧めと紹介してきた。

医者と金投資
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医者は忙しい。煩わしい投資は避けたいところ。

金は買った後、保管するだけで手間いらず、ラクだ。

しかも世界各国で取引されており、いつでも売買できる。

が、その詳細を知る機会は、ほとんどない。

今回はデータを元に、魅惑の金取引を案内する。

2023年上半期、意外だったのは、価格高騰の中でも日本人が買っている姿だ。

あくまで医師投資家の私見ですので、詳細は専門のサイトをご覧ください。

金取引のデータ

集計しているのはWorld Gold Council。最近日本語のページも出来た。

2023年4月~6月の金需給動向レポートが発行された。

金売買は大きく分けて、ジュエリー目的、投資目的(延べ棒、コイン、ETF)、工業目的、中央銀行の外貨準備の4つに分けられる。

レポートはかなり固い内容だが、気になるところをゆる~く書いてみる。

データなど詳細は原著を参考にして欲しい。

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日本人が金を買っている

円建て金価格の上昇にもかかわらず、ジュエリー用、投資用とも増えている。

これは久しぶりのことだ。

バブル期はイケイケで、金ブームが起きた。

給料は右肩上がり、円高で金1g 1,200円~1,500円。そりゃ、買うよね。

豊田商事事件やバブル崩壊の影響で、その後低迷。

GDP世界第三位の国とは思えないほど、金を買わなくなった。

平泉の中尊寺や京都の金閣寺に代表されるように、日本人は金を好むと思っていたが、

あのギラギラした感じを身につけるのは、合わないのかも。

ところが円安を背景とした金価格の高騰で、タンスに眠っていたジュエリーがリサイクルマーケットに出てきている。

「これであこがれの旅行に行ける!」

目を輝かせている高齢者の顔が目に浮かぶ。

その一方、円安・インフレに不安を覚えた若者が金を買い始めた。

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ジュエリーでは「喜平」と呼ばれるチェーンが人気とか。

今の若者は、現金以外の金融資産・現物資産に目を向け始めている。

おじさんとしては、喜ばしい限り。

中国は減少

もともと金を好むお国柄だが、今年はあまり買っていない。

景気減速が最大の要因。

ジュエリーは過去10年の平均に戻っていない。

一方投資用は横ばい。

金価格の上昇で注目は集めているモノの、まだ様子見をしている。

ただし、後で述べるが中国人民銀行(中国の中央銀行)は、金購入を増やしている。

インドも減少

こちらも金を好むエリアだが、購入量は減っている。

原因は、なんといっても価格上昇。

ゴールドは娘の嫁入り支度金なのに、父ちゃんツライわな・・・。

ジュエリーは減少、投資用は横ばいとなっている。

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トルコは増加

実はトルコも金が身近な国。

現地通貨は以前から不安定なため、庶民は資産保全のためゴールドを保有したり、贈り物にするとか。

現在トルコは強烈なインフレに見舞われており、国民は金買いを進めている。

ジュエリーでは14Kに比べて22Kが多く買われており(24Kが純金)、やはり投資動機が背景にある。

一方投資用も、富裕層を中心に購入が増えている。

まさにゴールドラッシュの様相。

米国はまちまち

政府の給付金が減少したことで、ジュエリー買いは減っている。

一方投資用は、銀行破綻を契機とした金融不安もあり、増えている。

なお、米国は1933年~1974年に市民の金保有が禁止されていたせいか、

資産としてゴールドを持つ習慣は、あまりない。

ウォーレン・バフェットも、金投資を嫌っている。

ドルは基軸通貨だし、米国株は右肩上がりだし、金を買う動機は希薄だろう。

ただ、年金基金やファンドなどによる金ETF取引は活発だ。

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欧州は減少

ヨーロッパは金購入が減った。

ジュエリー用は英国の生活苦が足を引っ張っている。

投資用は特にドイツで減少。

もともとドイツは金を好むが、金利上昇により銀行預金に流れている。

なおヨーロッパは全体的に金を好む。

特にスイスは、娘が産まれると誕生日ごとに、金貨を積み立てる。

コインは写真と供にアルバムに貼り、嫁入り道具として持たせるのだ。

中東・ASEANはまちまち

ASEANは金価格高騰や景気低迷のため、横ばいからやや減少。

中東はエジプトとイランを中心に、買いが増えている

なお中東は、かなり金が好きな地域。ドバイにはゴールドスークという宝飾店通りもある。

イスラムは金利を禁じているため、金利の付かないゴールドは重宝されるとか。

中央銀行も増やしている

中国、シンガポール、インドなどが金購入を増やしている。

なお、中央銀行は金購入をIMFに報告しているが、

申し出ない国もいくつかある。

ここら辺は様々な政治的思惑がありそうだ。

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ETFは減少

中央銀行の利上げに伴い、金利を生まないゴールドは敬遠されている。

それでも地域差があり、欧米は大きく減少する一方、金利の低い日本・中国は増えている。

分厚い資金を運用する機関投資家の売り買いは、短期的な金価格を左右する。

金ETFが減少すれば金価格は下がり、金ETFが増えれば上昇する。

金ETFは株と同じように扱えるため、欧米の銀行・ファンド・年金基金が多く扱っているのだ。

今後利下げに転じれば、ドルベースの金価格は上昇するだろう。

注目すべきOTC~秘匿な世界へようこそ~

今回のレポートで特筆すべきなのが、OTCの増加。

OTCとはOver The Counterの略で、マーケットを通さずに直接売買する方式のこと。

相対(あいたい)取引とも言う。

OTCは、業者が在庫を購入するときに使う事が多い。

金はマーケットで大量に買うと、一気に価格が上昇してしまう。

そのため表に出にくいOTC取引で、価格への影響を少なくするのだ。

また、取引の匿名性が保たれることも、特徴だ。

誰が誰に売っているのか、分からない。

一部では金購入を知られたくない某国が、代理人を使ってOTC取引をしているという噂も・・・。

ゴルゴ13を思わせる、ちょっと妖しい雰囲気のセクターだ。

なお、昭和天皇の御在位60年記念金貨を発行したとき、日本は大量の金が必要となった。

注目を浴びないよう、価格上昇を抑え、予算内に納めるため、

こっそり、密かに買い集めたと言われている。

金の持つ繊細で雅なオーラも、魅力の一つだ。

供給は増加

金産出に目を向けてみると、僅かだが増えている。

鉱山の生産量は増加した。

リサイクルによる金供給は各国様々だが、中国とインドは伸びた。

中国はジュエリーが売れず、卸売り在庫処分がリサイクルに回った。

インドは庶民の生活苦と金高騰のため、売却が増えた。

まとめ

ゴールドの需要と供給には、その時の世界情勢が大いに反映される。

金投資はG7だけでなく、グローバルサウスの動向も見ながら進める必要がある。

さらに、表に出てこない売買に思索を巡らすコトも欠かせない。

広い視野が求められる。医者の得意分野だ。

金を知ることは、世界を知ること。

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